原口一博議員

 衆院予算委員会で28日、「統計問題・諸課題」に集中審議が行われ、国民民主党からまず原口一博国会対策委員長が質疑に立ち、統計問題や沖縄新基地建設問題、外交問題などについて安倍総理や関係閣僚らに質問した。

 冒頭、原口国対委員長は国会について「国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」と定める憲法41条を引用し、国会の権威を回復するため、安倍総理に国民に分かりやすい答弁を求めた。質疑の概要は次のとおり。

●辺野古基地問題

 新基地建設の賛否を問う県民投票で7割の反対票が投じられながら、岩屋防衛大臣が26日の会見で「沖縄には沖縄の民主主義があり、しかし国には国の民主主義がある」とした発言に対し、原口国対委員長は「日本と沖縄の民主主義は同じだ」と痛烈に批判した。また、特別法の住民投票について規定している憲法95条を取り上げ、沖縄県の県民投票に法的拘束力がないという認識を改めるよう強く申し入れた。

 最後に安倍総理に「沖縄にこれ以上負担を押しつけるべきではない。沖縄の皆さんに寄り添うと言うなら民意を最優先にすべき」と求めた。

●本年4月から予定されている実質年金カット(抑制)

 原口国対委員長は「2019年度の年金支給額の基礎となる数字(賃金上昇分0.6%)がにわかに信じられない。物価が2%上がっている中、年金を0.5%カットしてよいのか」と安倍総理にただしたが、明確な回答はなかった。また、統計不正の全容解明と年金基金の運用を検証すべきとした。

●毎月勤労統計不正「賃金偽装」問題

 厚生労働省の毎月勤労統計調査の不正問題で、再検証を進めてきた特別監察委員会は27日、「担当部署が組織として虚偽の説明をしていた」と指摘する一方、「隠ぺいの意図は認められなかった」とする報告書をまとめた。原口国対委員長は樋口特別監察委員会委員長に、「虚偽について認定されたが隠ぺいはしていない」という矛盾した結論に至った説明を求めた。また、官邸の関与について調査していないことなどを問題視し、調査が全く不十分だとした上で、安倍総理に統計等監視委員会の設置を提案した。さらに、西村総務省統計委員会委員長から統計調査の是正を指導されていたにもかかわらず、リーダーシップを発揮しなかった根本厚労大臣の責任を追及した。

●農家を守る農業政策

 吉川農水大臣に、コメの価格下落に伴い農家の実収入が減ったことを確認した。安倍総理に「新自由主義的な農業政策はやめよう。大規模農家は日本にはそぐわない。災害の多い日本は戸別の農家に補償するべき」と申し入れた。

●FМS(対外有償軍事援助)の問題

 年金を2700億円削減する一方、F35(第5世代戦闘機)の購入に7000億円以上の予算を計上している点を問題視した。

●米朝首脳会談

 「米朝首脳会談の結果はまだ出ていないが、朝鮮戦争が終わるのは重要。しかし、核の段階的削減が進む中で、拉致被害者の問題が未解決のまま終焉されることは絶対あってはならない」と安倍総理の決意を確認した。拉致議連の創設メンバーとして与野党の枠を超えて協力していきたいとした。

原口一博議員

原口一博議員