北海道農業視察 玉木代表

 玉木雄一郎代表は13日、北海道旭川市を中心に上川郡鷹栖町、美瑛町の農家を視察。他にJAをはじめ農業団体や西川将人旭川市長を訪問し、農業政策を中心に意見交換を行った。党北海道総支部連合会代表の徳永エリ参院議員も同行した。

■鷹栖町農家視察(鷹栖町農民連盟委員長 中家彰さん)

 この日の最初は、鷹栖町農民連盟委員長の中家彰さんの経営する田畑を視察した。中家さんは、水田6ヘクタール、キュウリ(ハウス700坪)、ジュース原料用トマト(ハウス300坪)の経営規模。夫婦で経営しているが、5月から10月にかけては2人雇用をしている。中家さんは「労働時間をうまく利用して複合経営をしていくのが必要ではないか」と玉木代表に提案。自身もコメ以外にキュウリやトマトを栽培しており、「明らかに複合経営の方が安定している」と語った。ただ、複合経営は「2、3倍の労力がかかる」と述べ、他の水稲農家からは「野菜など新しいことを導入することは技術・教育が整っていないと失敗が怖い」という意見があるそうで手を出しにくい部分があると問題点もあげられた。

中家さんと意見交換

中家さんと意見交換

■旭川市農家視察(西神楽農民連盟委員長 吉田清さん)

 旭川市では、西神楽農民連盟委員長の吉田清さんの経営する田畑を視察。経営規模は、水田18ヘクタール、麦5ヘクタール、燕麦・緑肥等2ヘクタール。通常は夫婦で作業しているが、春作業(5月から6月)では、人材派遣等で5人を雇用している。吉田さんの経営する農地は来年から基盤整備の対象となっており、工事期間中は一定の収入が保障されているが、工事終了後に現在のようにコメがつくれる環境が整っていることが保障されているのかわからないと不安を口にした。

吉田さんから意見を聴く玉木代表

吉田さんから意見を聴く玉木代表

■美瑛町農家視察(全上川農民連盟書記長 小野寺雅芳さん)

 美瑛町では、本日13日の視察先全てを紹介してくれた全上川農民連盟書記長の小野寺雅芳さんの経営する畑を視察。経営規模は、麦7ヘクタール、ビート4.2ヘクタール、大豆/小豆6ヘクタール、加工スイートコーン4ヘクタール、加工カボチャ1ヘクタール、アスパラ0.2ヘクタール、ゆり根0.4ヘクタールと多岐にわたる。通常は夫婦と長男の3人で作業しているが、農繁期のみ臨時で30人を雇用している。農家全体の後継者不足などの問題点を語った。

JA上川ビルを訪問 右が小野寺さん

JA上川ビルを訪問 右が小野寺さん

■西川将人旭川市長、JA上川ビル、JAびえい等農業団体訪問

 農家視察の合間にはJA上川ビル、JAびえい等農業団体を訪問。西川将人旭川市長のもとにも訪れ、あいさつをした。

西川旭川市長を訪問

西川旭川市長を訪問

■玉木代表、視察後のぶら下がり会見

・農業視察について
 玉木代表は、西川市長訪問後に記者団からの取材に応じた。農家視察の感想と参院選に向けて農業政策をどう進めるかを問われると、「農業、第1次産業が地域の基盤として、社会の礎として不可欠だと強く感じた」と強調した。営農を継続できるよう所得を保障するため農業者戸別所得補償制度を導入することが必要だと語り、バラマキだという誤解を避けるためにも納税者、消費者になぜ必要なのかを理論的に理解してもらえるよう説明していきたいと意向を示した。そのうえで、「バラバラになっている野党をまとめる接着剤は農政だと強く感じたので国民民主党として農政の発信を強めたい」と力強く語った。また、多彩な農業の姿が全国にあることから各地を視察していく考えも示し、「国民民主党の基本政策の柱は食と農、これを参院選挙で大きな柱に置きたい」と語った。
・衆参ダブル選挙の有無について
 衆参ダブル選挙については、「可能性は十分あると思って用意しなければならない」と述べ、候補者の擁立や各党との調整のスピードを加速する考えを示した。そのうえで、他党他会派と「さらなる連携強化についてコミュニケーションを深めたい」と意気込んだ。

JAびえいでも意見交換

JAびえいでも意見交換