野党合同ヒアリング

野党合同ヒアリングで挨拶する原口一博国対委員長

 金融庁審議会の報告書に端を発した、老後生活の「2千万円不足」問題。この問題に関する第2回目の野党合同ヒアリングが11日、院内で開かれた(「2000万円貯金・年金カット追及 野党合同ヒアリング」)。国民民主党からは、原口一博国対委員長、森ゆうこ参院会派副会長、稲富修二、近藤和也両衆院議員、浜口誠参院議員らが参加した。

 冒頭、原口国対委員長があいさつし、前回のヒアリングで金融庁が、与党部会の資料をあたかも野党にも提出するかのような発言をしておきながら、結局は提出しなかった経緯について触れ、「このようなことは、今後ないようにお願いしたい」と、強く苦言を呈した。続けて「与党議員に追及されるので、皆さんが委縮されるのは分かるが、年金は国民全体の問題だ。しっかりと求めた資料を提出してほしい」と、ヒアリングに出席した金融庁、厚生労働省の幹部らに円滑な資料提供の実行を求めた。

 その上で原口国対委員長は、「一部には、野党の対案を出してみろ、との声もある。私たちもぜひ対案を出してみたいとは思う。しかし、議論の前提となる数字、財政検証さえ隠されている状況だ。全体像も分からないまま、どのようにして対案を出せるというのか」と述べた。

 さらに「年金問題というものは、国民全体・国会全体の問題だ。国政選挙の前に、その問題の基本的な数字を隠しながらやるというのは、絶対にあってはならないことだ」と、あいさつを締めくくった。

 会合では(1)金融庁審議会報告書の位置づけ(2)年金財政についての、いわゆる「オプション試算」公表の目途(3)「オプション試算」の公表に時間がかかっている理由(4)麻生太郎金融相へ報告書の内容を伝えた日付(4)5月22日以降、報告書内容の修正がなされた経緯(5)金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」の5月22日付会議の議事録――などについての質問がなされた。

 参加した議員らからは、「審議会がいったん出した報告書を所管大臣が受け取らない、などというのは聞いたことがない」「前回のヒアリングでは、金融庁の報告書として説明を受けている。それを撤回するなどというのは、国会を愚弄している」などと、政府の対応を批判する発言が相次いだ。

 次回会合までに(1)年金が不足すると目される厚生年金・国民年金受給世帯の分布状況(2)金融庁審議会報告書の位置づけ(3)オプション試算の内容――等についての資料を提出することを求め、この日の会合は終了した。