玉木代表の参院選第一声

 第25回参院通常選挙が公示された4日、玉木雄一郎代表は静岡県の掛川駅前で、3期18年にわたって参院議員を務めてきた榛葉賀津也(しんば・かづや)公認候補とともに第一声を発した。限界が明らかになったアベノミクスから「家計第一」の経済政策に転換し、社会を明るく豊かにしていくと訴えた。渡辺周、源馬謙太郎、日吉雄太の各衆院議員らも駆けつけた。

玉木雄一郎代表

家計第一の経済政策への転換を訴える玉木代表

家計第一の経済政策への転換を訴える玉木代表

 玉木代表は、今回の参院選について「正直な政治」「国民の安心」という2つの大切なものを取り戻す選挙だと訴えた。「何かあったらうそをついたり、ごまかしたり。総理は質問に答えずに、聞いていないことをいっぱい話す。これが当たり前みたいになってしまった。これではまともな議会政治は成り立たない。もう一度、緊張感のある政治を取り戻し『正直な政治』を取り戻そうではないか」と雨の中で熱心に聞き入る聴衆に呼びかけた。

 「国民の安心」に関して玉木代表は、ある年金暮らしの高齢者の話を紹介した。「私、万引きでもしようか今悩んでいる。万引きして刑務所に入ったら3食付いている。6万円かそれより少ないお金でギリギリの生活をしている今の自分と比べれば、もっとましかもしれない」とその高齢者は話したという。経済大国をつくり上げた高齢者の中に万引きしようかを悩んでいる人々がいる現状に対して、「こういう社会を変えていこうではないか」と訴えた。

 そのためにはアベノミクスから「家計第一」の経済政策への転換が必要だと述べた。「アベノミクスはとにかく豊かな人、元気な人、大きなところ、大都会、こういうところを強くして、そのおこぼれがそのうち皆さんに行きわたるという政策でやってきたが、もうこの政策は限界を迎えていることは明らかだ」「株価が倍になっても皆さんの所得は倍になっていない。ましてや年金は倍になっていない。むしろ手取りの収入は減る一方だ」と説明し、アベノミクスの限界を指摘した。

 国民民主党が提案する「家計第一」について玉木代表は、「可処分所得を増やすあらゆる政策を講じて、まずは家計に豊かさ、消費する力をしっかりとつけて『物を買う』『旅行に行ける』。そんな余裕を家計につくり上げれば初めて物が売れる。物が売れる環境ができて企業は作ろう、設備投資をしようということになる」と説明し、「家計第一」の経済政策で社会を明るく豊かにしていきたいと訴えた。

 参院選第一声を静岡県で行ったことについては、「榛葉賀津也候補は、わが党にとっても、日本の政治にとっても不可欠な人材だ。何としても当選させたい。そんな思いでここに来た」と述べた。多くの人が安心を実感でき、将来に希望をもって生きていけるような政治を取り戻すためには、「静岡で生まれ育ち、何より静岡を愛し、働く皆さんの気持ち、税金を使う側ではなくて、払っている側の気持ちで政治をやってきた榛葉さんを、こんな時代だからこそ、こんな政治だからこそ、もう一度国会に送らなければならない」と榛葉候補への支持を求めた。

しんば賀津也候補

貯蓄がなくても暮らせる社会保障をと訴える榛葉候補

貯蓄がなくても暮らせる社会保障をと訴える榛葉候補

 アベノミクスの6年間を総括して榛葉候補は、大企業や富裕層が元気になったと言われている一方で、ある自動車メーカーの国内販売台数が落ち込んでいる事例を示し、「日本国内が元気になって、大企業や富裕層が元気になるのではなくて、為替の変動でもうかっているかのように見える」と指摘。日々、地元をまわって聞こえてくるのは、孤独に悩んでいる人、障害があり苦しんでいる人、会社の倒産で失業し悩んでいる多くの人々の声だと語った。

 こうした現状に対して榛葉候補は、「国民は健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する」という憲法25条を引き合いに出し、「貯蓄がなくても公的年金で暮らせることのできる社会保障制度をつくるのが私たちの責務だ」と訴えた。そのためには、「いまの権力者ではなくて、一人ひとりの心の痛みのわかる庶民の代表を国政に送らなければならない。庶民が主役、税金が払う側が主役の政治をやりたい。正直な政治、偏らない政治、現実的な政治を17日間しっかり訴えていく」と決意を示した。

■ペリスコープ

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