玉木雄一郎代表は4日、さいたま市の大宮駅東口前で、参院埼玉県選挙区から立候補した宍戸千絵(ししど・ちえ)候補の街頭演説会に参加した。この演説会には、大島敦党副代表、小宮山泰子党総務副会長、島田誠衆院埼玉11区総支部長、山根史子埼玉県議(川越市)らが参加した。
玉木代表は、国民民主党が宍戸千絵さんを候補者として擁立するにあたり、宍戸候補が行政のプロフェッショナルとして経験を十分に積んできたことに加え、親の介護を自ら行い、さまざまな制度の問題、生活者の身近な問題を自ら経験してきた点を重視したと説明。「この思いと経験、これをぜひ国会に生かしてもらいたいと思い、私たちは彼女の擁立を決めた」と、玉木代表は、集まった聴衆に宍戸候補を紹介。
宍戸候補は、「私は、国家公務員として、また民間企業で働きながら、両親の介護を続けてきた」と自己紹介。元気だった父親が突然脳卒中で倒れて半身まひとなり、現行のリハビリ制度の制約のため、3カ月に1回会社を休みながら8年間親の介護を続けてきたと自らの経験を語った。そして聴衆に対し、「皆さん、突然両親が寝たきりになったら、今の生活を続けられますか?」と問いかけた。「20年前につくられた介護保険制度。いつの間にか、家族のための制度から、制度のための制度になってしまっている。それを変えるには、政治の力が必要だ」と政治を志した理由の一つを述べるとともに「介護を受ける側のために一生懸命頑張っている施設が報われるように、リハビリの回数が減らないように、そして社会復帰がサポートされるように制度構築をしていきたい」と自身の政策への支持を訴えた。
また40代の宍戸候補の同世代の多くは、学校の卒業とともに非正規の雇用に就き、職業能力をつける機会が少ないままで、「40代となっても、3割が非正規のまま、収入が低いまま」であることを指摘。「それなのに、今になって『年金だけでは生活できないから、2千万円必要だ』と言われても、無理だと思いませんか?」と宍戸候補は聴衆に問いかけ、そうした世代に向け、時代に合った職業訓練の充実を訴えた。
玉木代表は、「宍戸さんの世代も本当に大変な世代。現在40代のいわゆる『失われた世代』。就職氷河期で、大学を卒業した時になかなか正社員になれなかった。そして職業訓練、能力を開発する機会もないまま、10年20年が過ぎようとしている。そんな世代に、将来に向けて2千万円貯めろ、と。そもそも、社会保険料自体が払えない。そういう若者も増えている」と訴えた。
そして「今回の参院選は『正直な政治』を取り戻す戦いであり、『国民生活の安心』をもう一度取り戻す戦いでもある。これができるのは、まさに時代の波に翻弄され、さまざまな機会を奪われた『失われた世代』だからこそできることだ」と宍戸候補への支持を訴えた。