第25回参院選2日目となる5日、玉木代表は香川県高松市を訪れ、国民民主党推薦の尾田美和子(おだ・みわこ)候補者の応援演説を行った。
地元・香川に里帰りした玉木代表は、「安倍政権ができて6年半が過ぎ、安倍1強の下で政治に緊張感が薄れ、さまざまなほころびが出てきている」と指摘。財務省の金融審議会がまとめた「老後の生活資金は2000万円不足する」とした報告書の受け取りを政府が拒否した問題や、積み重なる外交問題について言及した。
玉木代表は「外交の安倍」をうたう安倍政権下で、対北朝鮮、拉致問題、アメリカとの関係、ロシアとの関係が進展していないことを指摘し、「これまでの歴代の政権、とりわけ歴代自民党政権が苦労して積み上げてきた成果が安倍総理によってどんどん崩されているのではないか」と、日本の国益が損なわれている現状を訴えた。北方領土問題について、「(安倍総理は)1ミリでも前に進めると言っているが、前に進むどころかじりじりと後退している」「このままいけばお金だけ取られて『ゼロ島マイナスアルファ』になってしまう」と、安倍総理が掲げている方針「2島プラスアルファ」になぞらえ、安倍政権の外交姿勢に疑問を投げかけた。
こうした状況の下で政府に対する国会の行政監視機能を取り戻すために、野党が1議席でも多く議席を獲得しなければならないとして、「うそをつく、ごまかす、都合の悪いことは隠す――こんな政治を変えていこう」と、集まった聴衆に尾田美和子候補への支持を求めた。
尾田美和子候補者は、ものづくりの現場で中小企業の後継者育成問題に取り組んできた経験を踏まえ、生活不安から次世代に仕事を引き継ぐことができないような今の政治はおかしいと訴えた。社会保険料が払えないという理由で親が子どもに仕事を継がせることを思いとどまる事態は伝統工芸のみならず、農業や漁業、中小企業でも起きており、「現場の声を国政に届けないといけない」として聴衆に支持を訴えた。