玉木雄一郎代表定例記者会見の様子

 玉木雄一郎代表は24日、定例記者会見を国会内で開いた。参院岩手選挙区で当選した横澤高徳氏から入党の申し出があったこと、ハンセン氏病患者らに対する安倍総理の謝罪、竹島上空で韓国空軍機が中国・ロシアの空軍機による「領空」侵犯に対して警告射撃を行ったこと、国会のバリアフリー化、憲法改正議論、参院選の結果などについて所感を述べた。

 冒頭、玉木代表は、参院選岩手選挙区に無所属の野党統一候補として立候補し当選した横澤高徳氏から入党の申し出があったことを報告した。国民民主党主導で擁立した他の選挙区の当選者の入党や会派入りについては、「いろいろな党の応援を頂いて戦ってきたので、そういった方々のご了解も丁寧に得ながら、『仲間として一緒にやっていきましょう』という声かけは続けてきたい」と述べた。

 中ロの空軍機が23日に竹島上空へ侵入し、このうちロシアの空中警戒管制機に韓国空軍機が警告射撃を行ったことについて玉木代表は「竹島は、歴史的事実や国際法上の観点からも明らかにわが国固有の領土であり、その上空における他国のこうした行動は断じて認められない」とした上で、「2度と起こらないよう政府に毅然たる態度を取ってもらいたい」「この事については重大に捉えるべき問題であって、わが国の対応も含めて厳しく叱していきたい」とこの事件に関し、閉会中審査を政府に求めていく姿勢を明らかにした。

 安倍総理が24日午前、首相官邸でハンセン病家族訴訟の原告らと初めて面会し、政府としての謝罪を表明したことについては、「総理が協議の場を設ける提案を示したことは歓迎したい」と述べた上で、政府が秋の臨時国会に提出するという新たな立法措置について積極的に協力していく考えを示した。

 安倍総理が憲法改正論議に参加するよう国民民主党に求めていることについての問いには、「これまでも申し上げてきた通り、わが党は憲法についてはしっかり議論していくという立場だ」と述べた上で、「まず前々国会からの積み残しになっている手続き法である、国民投票法の改正からしっかりやるべき。われわれはそのために改正案、特に有料CMの規制、ウェブCMを 含めた規制を盛り込んだ法案を出している。これをしっかり議論して、わが党の案をちゃんと入れてもらいたい」との考えを示した。

 いわゆる自民党の改憲4項目への評価については、「とりわけ9条、自衛隊明記論というのは、法的にも非常に問題があるということを、これまで私は予算委員会や本会議でも総理に直接申し上げてきた。なので、あれに納得することは出来ない。ただ国会の中で立場がそれぞれ違っても、国民の皆さんにしっかりと『議論をする国会』ということを見せていくのも大事だと思う。いずれにせよ、与野党が協力して静かな環境で議論できる、そういう環境が整うことを期待したい」との考えを示した。

 参院選の結果について感想を求められると玉木代表は、「多くの方が惜敗されたのは残念だし、私も責任を感じている。ただ選挙区で戦った党籍のある現職4人は全員当選を果たした。比例は3人にとどまったが、なんとか踏ん張ったかな、と。ただ統一自治体選挙の時からそうだが、やはり人口の多い首都圏や大阪でわれわれはなかなか勝てないという傾向を引き継いでいる。なんとかこれらの地域で党勢が回復するよう、これまで以上の努力をしていかなければならない」との見方を示した。