あいさつに立つ玉木雄一郎代表

 両院議員・全国幹事会・自治体議員団等役員合同会議/研修会が8日都内で開かれ、衆参国会議員、全国の自治体議員をはじめ党関係者約200人が参加した。会議では統一会派の経過報告、第25回参議院通常選挙総括中間報告を踏まえて、意見交換が行われた。

 冒頭であいさつに立った玉木雄一郎代表は、「参院選挙での取り組みにあらためて感謝を申し上げる。これから選挙総括を行っていくことになるが、比例の現職の議員が議席を失うなど大変厳しい選挙結果となったが、それぞれの地域でがんばっていただいたことで比例区・選挙区で議席を獲得できたことも有り難く思っている。今回の戦いで良かった点悪かった点を総括し、しっかりして次につなげていきたい」と語った。

玉木代表

あいさつに立つ玉木代表

 玉木代表は参院選挙を振り返り「気づいたこと」にも言及し、「日本の政治のなかで初めてネットの力が具体的な議席や政治勢力に影響を与えた初めての選挙だと思っている」と語り、「ネット対策に関してひとことでSNSというが、力を入れるべき対策は何なのか、どういったメディアに焦点をしぼっていくか検討しなければならないと思う。その意味では新しく誕生した2つの政党の取り組みは批判もあるが学ぶところが多い。この戦い方については分析をしたうえでこれからの闘いに活かしていく。次の衆院選挙・参院選挙・統一自治体選挙においてもネットは不可欠になってくる。ふだんからのネットの対策は重要だということが改めて分かった。コツコツやっている人は最終的に票につながる」と分析。今後、党本部として国会議員、自治体議員を対象にしたネット選挙講習会・研修会を行って総合的に支援していく考えだと表明した。

 統一会派についてはこれまでの経過を報告。8月5日の立憲民主党からの呼びかけに対して党内の議論を重ね、8月15日に(1)衆院だけでなく衆参両院で統一会派を結成すること(2)それぞれが別の党であるので政策的方向性、その他の必要な事項について、誠実に協議し、合意を形成すること――の2点を立憲民主党に提示し、8月20日に衆参両院で会派の協議を始めることで合意したこと等を玉木代表は説明した。「現在、幹事長レベルで内々の調整を行っている。そのうちに正式な協議会が立ち上がり重要なことを決めていくことになる」と語った。

 また、「これから会派を進めるにあたっては、力を合わせるにあたっての大義を明確にし、支援者の皆さん国民の皆さんに示していく」として、行政監視機能高めるとともに国民の皆さんに納得をしていただける大義を明確にしていく考えを強調した。同時に国民民主党が掲げる「改革中道政党」という政党としてのアイデンティティは守り抜く考えも表明した。

 「国民民主党に期待されるのは反対だけではなく具体的な提案やひとつでも解決していこうという姿勢が支持を得ている。これは野党全体に求められていることでもある」との見解も玉木代表は示した。先の国会では児童虐待の問題について国民民主党が筆頭提出者となって児童虐待防止法案をまとめ、法案にこめた考え方や理念が政府案に入れ込まれる結果に至ったことにも言及。集会では玉木代表自身がオレンジリボンを身に着け、認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワークが推し進める子ども虐待防止を訴える「オレンジリボン運動」への協力を要請。「児童虐待の問題には今後も力を合わせて取り組んで行きたい。ぜひ皆さんにもオレンジリボンをつけて国民民主党は党をあげて子どもたちの命を守っていくということで具体的に取り組みを進めていきたい。ぜひ全力で協力してほしい」と呼びかけた。

 玉木代表は最後に「早ければ年内にも衆院の解散の可能性もある。その意味では立ち止まることが許されない。常に前に向いて進んでいかなければならない。ぜひ忌憚のないご意見をいただいて次につなげていきたい」と述べた。2009年の8月30日の政権交代から10年を経たことにもふれ、「反省と摸索の数年間だったが、10年経ったので、そろそろ次世代与党に向けた準備期間として次のフェーズに入っていかなければならない。そのために皆さんの力を結集して次に向けた取り組みを進めていきたい」と力を込めた。

報告に立つ平野幹事長

報告に立つ平野幹事長

 玉木代表あいさつに続き、平野博文幹事長が「統一会派の経過報告」を、岸本周平選挙対策委員長が「参議院選挙総括中間報告」をそれぞれ行い、意見交換した。また泉健太政調会長が参院選政策等について総括した。

報告に立つ岸本選対委員長

報告に立つ岸本選対委員長

 意見交換では、統一会派の協議がどのあたりまで進んでいるかの確認を求める質問があり、「会派を進めて行くための協議会の前さばきの段階」といった説明が平野幹事長からあった。また、厳しい参院選ではあったが350万票もの方々が国民民主党を応援してくれた事実を踏まえそうした方々に対する説明責任を果たすことを大切にしてほしいといった意見があった。「巨大与党と対峙するためそもそも国民民主党は大きな固まりをつくらなければいけない」という主張は玉木執行部発足当初からの方針。その方針の枠のなかで党の考え方や政策を大切にしながら相手と徹底的に協議してほしいといった意見も出された。意見交換後に記者団に対して川合孝典総務局長が明らかにした。

 なお、会場ではオレンジリボン運動を支援する募金活動も行われ、3万9482円が集まった。懇親会に参加したこくみんうさぎもオレンジリボン運動の推進をPRした。

「オレンジリボン運動」の重要性をPRするこくみんうさぎ

子どもたちの虐待防止にむけ「オレンジリボン運動」の重要性をPRするこくみんうさぎ