ディスカッションの様子

 東京都内で21日、日本若者協議会(※1)が主催するイベント「全世代で考える、これからの教育と社会~ユース・カンファレンス2019」(※2)が開かれ、玉木雄一郎代表が「日本の財政政策・経済政策」をテーマとするパネル・ディスカッションに参加した。

 立憲民主党や日本維新の党の政治家らも参加したこのパネル・ディスカッション。消費税率の引き上げと財政再建について話題が及ぶと玉木代表は、「(財政健全化を目指す気持ちは同じだが、)今、やはりなかなか消費税を上げられないような社会経済構造にもなってきてしまった気がする」と、増税が日本の経済成長に与える悪影響への懸念を示した。その上で、「労働者の実質賃金が減っているのは、先進国では日本だけ。そういう中で増税すれば、ますます消費が縮小していくという悪循環に陥ってしまう。ここを突破するには、金融財政政策をもっとフル活用するしかない」と、持論を展開した。

 玉木代表は、昭和の一番最後の予算と平成の一番最後の予算を比較した場合、総予算の規模は1・7倍、年金・介護・医療の国庫負担分は3・3倍、借金の返済が2倍となっているのに対し、教育・科学技術の予算は30年間ほぼ同額であることを指摘。その上で、「これからの世の中は、知価社会になっていく。皆さんの人材と頭の中そのものが成長と富の源泉となる。やはり人づくりなくして国づくりなし。ヒトに対して徹底的に資源を投入しなければいけない」と語った。さらに「社会保障の伸びがあるので、それを賄うだけでいっぱいいっぱい。お金はありません、と言いつつこの30年間やってきた。ここは大いに反省し、借金してでも今すぐ教育と科学技術のお金はどんと増やす。まさに将来投資。将来の税収増と成長の源を今すぐやらないと、これからの10年間で日本は急速に衰えていく」と述べ、日本の将来的な危機を克服するためにも、教育・科学技術分野へ投資することの重要性を訴えた。

※1 日本若者協議会とは
「若者の意見を政策に反映させる団体」として各政党との政策協議、政策提言を行っている団体。具体的には、「被選挙権の引き下げや供託金の引き下げ」「審議会での若者比率の上昇」「若者担当大臣/子ども・若者省の設置」等を提言してきた。2018年5月に発足した超党派の「若者政策推進議員連盟」では事務局を担当。2019年7月時点での個人・団体会員の合計は約4,100名(団体側発表)。(https://youthconference.jp/ より)

※2 イベントの詳細:
https://youthconference2019.peatix.com/