27日、日本若者協議会(※1)主催のイベント「若者が考える憲法改正 vol.1〜国民民主党 玉木雄一郎代表がホンネで語る憲法改正論〜」(※2)が国会内で開かれ、ゲスト・スピーカーとして玉木雄一郎代表が講演した。
この中で玉木代表は、YouTube 動画チャンネルである「たまきチャンネル」の動画(※3)の上映などを交えつつ、日本国憲法についての解説や、改憲についての自身の考え方を披露。
9条改憲については、「2014年の政府による解釈改憲以来、武力行使の要件という従来のタガが外れた状態。例えるなら『武力行使』という名のライオンが、それまで閉じ込められていた檻の外に出てしまっている」「9条を崇(あが)め奉(たてまつ)っていれば平和が守られるという局面は、すでに終わっている。武力行使を一定範囲にとどめるつもりならば、(一旦、外に出てしまった)ライオンを閉じ込める『新しい檻』を準備する必要がある。具体的に、どこまでの範囲なら、武力行使を容認するかを議論する、現実的な『平和的改憲論』が必要だ」と、自身の考え方を示した。
さらに自民党が提示している改憲案については、「改憲案が認める『必要な自衛の措置』とは何か。誰が決めるのか」と、改憲案が武力行使の範囲について不明瞭である点を一番に問題視。その上で、「自衛隊」という組織名を書き込むことばかりを安倍総理は強調するが、「武力行使の範囲をどこまで認めるかの議論の方がはるかに重要だ」と、自民党案を批判した。
そして「軍事技術の進歩とともに、同盟国との一体性は一層強まっており、個別的自衛権の範囲もゆらぎつつある」とも述べた上で、「タダで平和は守れない。どのような時にわれわれは戦争を覚悟するのか。憲法が掲げる『平和主義』とは何なのか。突き詰めた議論をし、国民のコンセンサスを広く求めていくことが重要だ」と、訴えた。
この他、講演では同性婚、食糧安全保障、皇位継承、といった改憲テーマについても語られた。イベントに参加した若者達の熱意と勉強ぶりが伝わる、活発な質疑応答が後に続いた。
玉木代表は、「国民民主党は、これからも積極的に憲法の議論を進めていきたい」と述べ、講演を終えた。この日は、玉木代表退席後も、9条・教育・同性婚・食糧・エネルギーのテーマごとの若者らによるグループ・ディスカッションが続き、最後に各グループによる意見発表が行われ、イベントは終了した。
※1 日本若者協議会とは
「若者の意見を政策に反映させる団体」として各政党との政策協議、政策提言を行っている団体。具体的には、「被選挙権の引き下げや供託金の引き下げ」「審議会での若者比率の上昇」「若者担当大臣/子ども・若者省の設置」等を提言してきた。2018年5月に発足した超党派の「若者政策推進議員連盟」では事務局を担当。2019年7月時点での個人・団体会員の合計は約4,100名(団体側発表)。
https://youthconference.jp/
※2 イベントの詳細:
「若者が考える憲法改正 vol.1〜国民民主党 玉木雄一郎代表がホンネで語る憲法改正論〜」
https://peatix.com/event/1316535?lang=ja
※3 たまきチャンネル
「知っておきたい『憲法9条』違憲論争について(前編)」
https://www.youtube.com/watch?v=_r_0Xv11XQQ
「知っておきたい『憲法9条』違憲論争について(後編)」