玉木雄一郎代表予算委員会基本的質疑

 玉木雄一郎代表は10日、衆院予算委員会の基本的質疑に立ち、安倍総理らと論戦を交わした。(1)台風15号への政府の対応(2)北朝鮮漁船衝突事故(3)憲法改正(4)日米貿易協定(5)消費税引き上げの日本経済への影響――を論点とした。

 玉木代表は稲を手に取り、「これは佐賀県の稲で、実はしょっぱい」と台風17号の影響で塩害を受けた稲を示し、農業共済の被害補償は数量被害が対象であり、質が悪い場合は対象にならないことを懸念する農家の声を紹介。「個々の農家にさまざまな事情があるので、きめ細かな対応をしてほしい」と要望した。

 台風15号により千葉県を中心に甚大な被害が出たことについては、避難所に県が保有する発電機がなかなか届かなかったという話を取り上げ、避難所への発電機の配備状況を国の責任で確認し、配備するよう提言した。

 日米通商交渉について、「安倍総理が追加関税を回避できたことが成果だと言っているが、条文上全く根拠がない。両国が結んだ文書では何ら担保されていないことが明白だ」とし、総理が根拠に挙げる首脳会談などの議事録の国会提出を求めた。また「自動車や部品の関税撤廃は合意されておらず、米側の関税撤廃率は6割程度に留まる。これではWTO協定違反となる可能性が濃厚だ」と指摘した。また、今後中国、インドや南米と自由貿易交渉を行うときに「日本はWTOに違反している」と指摘されることにより、将来の日本の交渉力を弱めることを懸念した。

 消費増税が10月から実施されたことについては、「デフレ脱却が十分実現していない中で、日本経済に致命的な打撃を与えないか」と総理の認識をただした。安倍総理は、「前回の反省があり、十分な対策を講じた」と答弁。玉木代表は、「それで大丈夫か相当心配している」と述べ、「いまやるべきは増税ではなく積極的な財政拡大だ」と考えを語った。そのうえで、「人づくりこそ国づくり」と述べ、「教育は国家100年の計だから、50年債や100年債を発行して戦略的な投資の財源を見つけて、大胆投資でデフレ脱却していく政策に転換していくチャンスだ」と麻生財務大臣に提案。その考えがないと答弁する麻生財務大臣に「消費が急速に縮む時には、消費税の減税も含めてさまざまな経済政策の手段を検討しておく必要がある」と提案した。