衆参国対委員長らが記者会見

 「国会議員の質問権の侵害、国会に対する挑戦だ」。森ゆうこ参院予算委員会理事が15日の予算委員会での質問を通告した内容が外部に漏洩していた問題で、森議員と国民民主党の原口一博国対委員長、奥野総一郎国対委員長代行、舟山康江参議院国民民主党・新緑風会国対委員長は16日、緊急記者会見を国会内で開き、共同会派がこの漏洩問題の追及チームを立ち上げると発表した。

 原口委員長は「今日は共同会派として統一した意思を持って会見に臨ませていただく」と冒頭に発言。森議員が事前通告した質問内容が外部の民間人に渡っており、実際に森議員が国会で質問をする前に、その質問内容を民間人がネット番組で攻撃した経緯を説明。

 「(国会質問の)2日前に質問を出せと言いながら、その2日間にネットで叩いてその質問を封じる。これは質問そのものの妨害だ。チームを作り徹底的に追及して明らかにするというのが共同会派の一致した意見だ」と、この問題に対する共同会派の対応を説明した。

 舟山委員長は、「事の発端は、森議員の質問通告の時間が遅れたのではないか、ということだった。昨日の予算委員会理事会の場で、森議員の質問通告が予算委員会の委員部に提出されたのは期限内の午後4時台であったことが明確に確認された」と報告した。その上で「守秘義務を負っている国家公務員が、通告時間やその通告の内容をメディアやネットで漏らすということは大問題だ」と述べた。さらに舟山委員長は、「そもそも事前に、どこまで詳細に通告するのかは議員個々人に任されている。ちなみに私が農林水産政務官だった民主党政権当時の自民党議員の通告は、『農政全般について』など、たった一言の時もあった。残念ながらそれも許されている」と、事前通告の実態について述べた。その上で舟山委員長は、「野党議員がきちんと事前通告した質問を外部に漏らしてその質問を封じ込めようとするのは、国会議員の質問権の侵害にあたり、看過できない」と、議員質問の意図的な漏洩を強く批判した。

 森ゆうこ参院予算委理事も「昨夜、くだんのネット番組の内容を知り、すごくびっくりした。私が通告した質問だけでなく、さらに細かい役所とのやり取りまでもがさらされていた。私の質問権の侵害であり、憲法51条によって保障された国会議員の発言の自由、憲法そのものや民主主義への重大な挑戦だ」と、述べた。

 原口委員長は、共同会派で話し合い、(1)衆参合同でこの問題の追及チームをつくる(2)自民党、与党に対して自ら真相解明を行うことを促す――などで合意したと述べた。