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 「受験機会そのものに大きな格差が生じるということは、子どもたちの将来の格差を生じさせ、そうした格差を容認するということになる」。玉木雄一郎代表は30日、院内で開いた定例記者会見の中で、萩生田光一文科相の「身の丈」発言を批判した上で、英語民間試験の大学入試への導入延期を求めた。

 玉木代表は、「子どもたちが夢を描けない社会には未来がない。これが私の考えであり、国民民主党の考えだ」と述べた上で、萩生田文科相の「身の丈」発言について、「撤回したとはいえ大問題だと考えている。萩生田大臣の発言は、私たちの考えとは真逆であって、子どもたちが紡ぐこの国の未来に対して責任を持つ政治家として許し難い」と厳しく批判した上で、「官房長官は適材適所というふうに発言しているが、安倍総理も同じように考えているのであれば、任命権者たる総理の資質にも疑問を抱かざるを得ない」と述べた。

 文科省が進めている大学入学共通テストへの英語民間試験の導入については、「都会に住むお金のある家庭の子どもは何の問題もないのかもしれない。だが地方に住む所得の低いご家庭の子どもたちは一番影響を受ける」と、経済格差、地域格差の助長につながると指摘。さらに「問題を作る業者と、試験対策の講座や参考書を作る会社が同じだというのは、運営の公正性、公平性に疑義が生じる等、様々な問題が解消されていない」とも述べた。

 そして国民民主党をはじめとした野党がすでに衆院に提出している導入延期法案の審議入りを求めるとともに、「今国会最大の課題としてこの問題に取り組んでいきたい。今日の衆院文科委員会でわが党の城井崇衆院議員が求めたように、この英語民間試験の導入については、いったん立ち止まって再検討すべき」と、あらためて延期を求めた。