ぶら下がり会見

  1日、相次ぐ大臣辞任や大学入試への英語民間試験導入問題などを受け、院内で野党全議員緊急集会が開かれた。集会後、玉木雄一郎代表と城井崇衆院文部科学委員会理事が記者団とのぶら下がり会見に応じた。

 冒頭、緊急集会開始直前に発表された英語民間試験導入延期に対する受け止めを聞かれた玉木代表は、「まず高校生や親、学校の先生――様々な人の思いが政治を動かした」と、関係者に敬意を表すると同時に、野党議員の国会内外での地道な活動の積み重ねが、今回の導入延期決定につながったとの見方を示した。「野党がしっかり力を合わせれば政治を変えられることが証明された」と述べるとともに、「『無理が通れば道理が引っ込む』という言葉があるが、道理をしっかり通す、そもそも無理を言わせない。そんな政治を実現するためにさらに連携を強めていきたい」と、野党間のさらなる連携強化への意欲を語った。

 閣僚辞任が相次いでいる現状について問われると、「総理自身が任命責任を認めており、どういう責任であって、どのように果たすのかということを予算委員会などの場で、しっかりと説明をしてもらわなければならない。6日間のうちに2人の大臣が辞めるというのは、内閣全体の不信任に繋がるような異常事案だと受け止めている」と語るとともに、「私たちも覚悟を決めて、場合によっては信を問うということになった場合の備えも加速していかなければならない。」と、総選挙を意識した取り組みを加速させる考えを示した。

 萩生田文科相の政治責任について問われると、「大臣自身の『身の丈』発言もあり相当重い責任だ」との認識を示した。さらに今回の問題の本質は「経済的、地理的な格差を容認する文部科学行政を進めるのか、それともそれを是正して、すべての子どもたちに等しく教育機会を与える教育行政を進めるのか」だ、とした上で、「もし前者で進めようとするようであれば、それは憲法や教育基本法の理念にも反するので、文科大臣としての資質が厳しく問われる」と述べ、今後の質疑の結果によっては、大臣不信任案にもつながっていく可能性もある、との認識を示した。

 共にぶら下がり会見に応じた城井崇衆院議員は、文部科学委員会で理事を務め、英語民間試験導入問題には約2年前から取り組み、国会質疑では中心的な役割を果たした。

 導入延期決定について尋ねられた城井議員は、「2年も前から、経済的な格差、地理的な格差、そして運営上の公正性が担保されていないといった問題が明らかだった。これらの問題が解消されない限り、立ち止まるべきだと政府に再三申し上げてきた。受験生や大学、高校の教育現場の方々の声をもとに、一つ一つ裏付けのある議論を積み重ね政府を問い詰めてきた。延期決定は、そうした現場の声のおかげ、お一人お一人のご協力のおかげだと思っている」と話した。

 また「歴代の大臣が異口同音に、改善策を『実施団体に要請している』と説明してきた。国の共通テストなのに、国が改善に直接責任を持たず、実施団体に丸投げしてきた文部科学省の無責任な姿勢が受験生を直撃してしまった。そこが一番大きな問題だ」との見方を示した。