近藤和也衆院議員

 衆院外務・農林水産・経済産業委員会は7日、日米貿易協定をテーマに連合審査会を行った。衆院会派・立国社の3番手として近藤和也議員が、主に米国からの牛肉の輸入枠について質疑した。

 近藤議員は、日米共同声明の4番目にある「日米両国は、これらの協定が誠実に履行されている間、両協定及び本共同声明の精神に反する行動をとらない」と記された「誠実に履行する」とはどういうことかを茂木外務大臣に質問。茂木大臣は「日本が協定に従って貿易を進めている限りにおいて(通商拡大法)232条は課されないということ」と答弁。ある産品の米国への輸入が米国の国家安全保障を損なうおそれがある場合、関税の引き上げ等の是正措置を発動する権限を大統領に付与する通商拡大法232条は、日本が日米貿易協定に従って貿易を進めていれば発動されないことを説明した。一方で「共同声明の精神に反する行動」をとると法232条の発動がされる可能性があることにも言及。こうした答弁に近藤議員は、「不平等条約と言っていい」と強調した。

 近藤議員は、米国からの牛肉の輸入枠について、昨年の米国からの輸入実績よりも低い輸入量の設定は、むしろ今後米国から輸入量の拡大を求められ、日本にとって不利な状況でのセーフガード(緊急輸入制限)の発動を招きかねないことを懸念。日米貿易協定が誠実に履行されないことになってしまえば、法232条が発動され、自動車へ追加関税される状況になりかねず、牛肉をとるか自動車をとるかの状況になると指摘した。