奥野総一郎

 国の予算で毎年開かれている総理主催の「桜を見る会」に、安倍総理の地元後援者が多数招待されていたことが指摘された問題で、野党合同調査チーム(「総理主催『桜を見る会』追及チーム」)の初会合が12日、国会内で開かれた。会合では、内閣府や内閣官房など関係府省庁の担当者からヒアリングを行った。

 各府省庁には事前に招待客名簿や名簿決定のプロセス、各府省庁への推薦人割り当てなどの資料を提出するよう要請していたものの、この日、府省庁側からの資料提出はなかった。

 追及チームのメンバーの一人で、あいさつに立った奥野総一郎国対委員長代行は「税金を使ってやる以上、基準が明確でなければならない。そこが不明確なまま、総理に近いというだけで招いたりすることがあってはならない。事実関係をしっかり解明していく」と述べた。奥野代行の他、追及チームメンバーとなっている国民民主党所属議員は、斉木武志、浅野哲両衆院議員、矢田わか子参院議員の3人。

 関係府省庁のヒアリングでは「桜を見る会」参加者の名簿に関する質疑が相次いだ。文書の保存規則に従いすでに破棄したと主張する内閣府に対し、(1)各府省庁に提示した推薦者人数の割り当てや招待の基準などについては記録があるはずで、これを開示すべき(2)「桜を見る会」関連文書について、各府省庁ごとの文書保存規則を開示すべき(3)招待者に関する資料の保存期間が内閣府と各省庁で異なるのはなぜか(4)内閣府が破棄したとする招待者名簿の保存期間と、各省庁が提出した推薦者リストの保存期間が異なり、後者は残されているのではないか――といった論点が指摘された。また「桜を見る会」前夜に行われたいわゆる「前夜祭」に関しても、参加費に見合わない内容の食事などが提供された疑いがあり、これは利益供与にあたるのではないかという論点も出された。

 出席した関係府省庁には、野党側が要求する資料を次回会合までに提出するよう強く求め、この日の会合は終了した。