原口一博国対委員長ら

 「新型肺炎の蔓延は予想以上。政府対応は後手に回っている」。国民民主党など主要野党の国会対策委員長は29日、国会内で連絡会議を開き、中国で発生し、日本でも感染が確認された新型コロナウイルスによる肺炎を巡り政府の対応が後手後手に回っていることから、野党合同で関係機関からヒアリングを行うなど、対応を協議する合同チームを立ち上げる意向を示した。

 連絡会議終了後、記者団とのぶら下がり会見に応じた安住淳共同会派国対委員長は、「新型肺炎の蔓延が予想以上で、日本政府の対応が非常に遅れているのではないかという認識で各党が一致した。関係省庁から対応を聞くなどした上で、まず予算委員会の場でそのつど質疑したり、対策を打ち出すなどしながら、政府の目が行き届かない点について、政府に要望を行ったりしていきたい」と話した。記者団に、具体的にどのような点で政府の対応が遅れているのか尋ねられた安住委員長は、「昨日、奈良で新たな感染が認められたが、人から人ということを日本政府がまだ認めていないという状況では、感染の先を行く対応ができない。後手に後手に対応してるとしか見えない」「原口委員長代行を中心に、野党が共同でこの分野で専門的な知識を持ってる人を集めて本格的な対策チームを作っていきたい」と語った。

 また衆院予算委での補正予算の審議を振り返り、総理主催「桜を見る会」に関する論点を整理。(1)会への参加者リスト破棄に関するログ(電子的記録)の提出(2)「桜を見る会」前夜祭の領収書やホテル側の明細書の提出(3)会計検査院による本格的な調査の要請(4)安倍事務所に対して内閣府が送った案内状の提出、などについて引き続き求めていく方針を示した。

 さらに一部報道で取り上げられている棚橋泰文衆院予算委員長の振る舞いについては「与党から出てくるわけだから100%公平にと言ったってそれは無理だと思う。とはいえ、審議妨害を意図的にやったり、質疑者の質疑を遅延をさせたり、揉め事があっても止めなかったりと、これはちょっと看過できない。これは予算の本格審議入りの前提にせざるを得ない」と述べ、自民党に対し、しっかりと申し入れを行っていく方針を示した。

原口国対委員長

記者団の質問に答える原口共同会派国対委員長代行

 原口一博共同会派国対委員長代行は、「私たちは民主党時代に感染症に対する根本的な法律を出している。今回は情報の分析、あるいは指定感染を閣議決定するのも遅すぎた。しかもこれを施行するのは2月だ。その間どうするのか。それから中国から帰って来られた邦人の方々を家に帰すと。それはありえない話だと思う。やはりしっかりと経過観察を一定の施設の中でやらないといけない」と話した。また人から人への感染の問題について「世界で認めているようなことも、まだなぜ中国に対して言えないのか。そういうことをしっかりと質してほしい」と政府に対し注文した。