足立信也議員

 参院予算委員会は2日、2020年度政府予算の基本的質疑をおこない、足立信也議員が質疑をした。新型コロナウイルス感染症(COVID19)への対応について、SARSが流行した時には原因を特定してから新感染症に指定したにもかかわらず、なぜ今回は「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を適用して、新感染症に指定して早期の対応をしなかったのか安倍総理や加藤厚労大臣に迫ったが明確な答弁はなかった。

 足立議員は冒頭、「わが国の最大の課題は少子化とコロナウイルスだ」と述べ、少子化対策について触れた。「現在、国民健康保険で働いている労働者は出生手当も傷病手当もない」と指摘し、「条例で制定すればできる」と説明。いま現在そうした条例を制定している市町村はないと答弁する加藤厚労大臣に対して、「国として奨励してはどうか」と提案した。

 また、中国で約5万6000人の感染者のデータを分析してWHOの専門家チームが合同で作成した調査報告書について、「極めて大事だ」と述べ、和訳と公開を要請。茂木外務大臣から「国民に示すのが重要と考えている。厚労省と相談して和訳したい」と答弁を引き出した。

 その他にも高齢者の死因に肺炎が多いことから介護施設や高齢者施設等では、「混合感染を防ぐために肺炎球菌ワクチンを徹底すべき」と提案。医療機関の待合室で長い時間待つことが感染のリスクを高めることから、電話やオンラインでの遠隔医療や遠隔服薬指導等を提案した。

 質疑の最後には、「これからは市中感染を想定した体制づくりが大事だ」と強調。「政府の信頼をしっかりするために正確な情報をワンボイスで伝えていくことが大事だ」と力を込めた。