参院厚生労働委員会で20日、閉会中審査が開催され、足立信也議員が質問に立った。(1)新型コロナウイルス感染症の各種検査の医療保険適用、行政検査(2)診療抑制と超過死亡(3)オンライン診療・服薬指導等――をただした。
新型コロナウイルス感染症の各種検査に関して、ドイツ政府が本年6月にPCR検査、抗体検査については、無症状者でも誰でも希望すれば受けられるよう法改正した事例を取り上げ、日本でも「希望者全員が受けられる形と集団的な定期検診を繰り返すこと」が重要と説き、新型インフルエンザ特措法の改正か新法で対応すべきと提案した。
加藤勝信厚生労働大臣は、「現行制度でもできる」と答弁。それを受けて足立議員は、「地方では『できない』と思い込んでいる」と実情を訴え、国が丁寧に説明すべきと提案した。
平年と比べた死者数の増加分を表す超過死亡に関連して、コロナ禍であるにもかかわらず、厚労省調査で超過死亡があまりないことが明らかになったことから、「今の受診抑制というのが誤りではないのかもしれないということになってくる」と指摘。「受診抑制が死亡率あるいは罹患率にどう影響しているのか、これはしっかり分析すべき」と説いた。厚労大臣は、「同じ問題意識を持ってあたっていきたい」と答弁した。
厚労省が新型コロナウイルスの院内感染を含む感染防止のため、非常時対応として導入したオンライン・電話による診療や服薬指導に関連して、約1500万人と言われる聴覚障がい者も活用できるよう「手話の機能がつながるように是非検討してもらいたい」と提案した。厚労大臣は、「オンライン診療においても手話通訳者が立ち会い、医師とのコミュニケーションをしっかりはかってもらえるようにしていきたい」と前向きに答弁した。