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2020年3月11日
東日本大震災から9年を迎えるにあたって(代表談話)
国民民主党代表 玉木雄一郎

  多くの尊い命が失われ、未曾有の被害をもたらした東日本大震災から9年の月日が経ちました。震災により亡くなられた方々とそのご遺族に対し、改めて深く哀悼の意を表します。また、今なお避難生活を余儀なくされている皆様をはじめ、すべての被災者の皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。そして、被災地の復興・再生に日々、ご尽力されておられる皆様に、心より敬意を表します。

 発災から9年を経ても、被災地の復興は思うように進んでいないのが実情です。地域コミュニティ・住まい・教育・経済・雇用維持など、発災直後からの課題に加え、時間の経過とともに復興のステージが変わり、復興の進行度も地域によって差が見られるようになっています。復興庁については、設置期限を10年延長する法案が政府から提出されていますが、引き続き、国が責任を持って、被災自治体がそれぞれの実情にあった復興の取り組みを推進することができるよう、万全な体制整備と十分な財源確保に力を尽くします。

 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業の遅れ、中間貯蔵施設で保管される除去土壌等の最終処分、溜まり続ける放射性物質を含んだ水の処理方法、風評被害など、福島再生には、多くの困難な課題があります。原発事故処理、廃炉を進めるため、すべての政策手段を投入するとともに、福島県等の除染、汚染水対策、福島県民の健康管理については、国が責任を持って取り組むよう、引き続き強く求めていきます。

 時間の経過とともに、被災者の孤立や心のケアなどの課題が浮き彫りになっています。特に、災害公営住宅への入居が本格化した2017年以降、誰にもみとられずに亡くなる孤独死が急増しており、高齢化する被災者が周囲と交流しない社会的孤立をなくすための対策が求められています。また、被災地の性暴力の問題にも焦点が当たるようになりました。無料相談電話「よりそいホットライン」に寄せられる、震災による環境の変化などが背景にあるDVや性暴力被害の相談は、今も変わらず続いています。被害を受けても誰にも相談できないまま、長い間ずっと一人で苦しんできて、9年たってようやく電話をかけてくる女性も少なくないとのことです。一人ひとりの心の苦しみに寄り添うためのサポート体制の強化を求めていくとともに、背景にある、社会的構造の問題にも取り組んでまいります。 

国民民主党は、これからも震災の記憶と教訓を風化させず、様々な取り組みに活かしていくとともに、復興への歩みを加速させ、一日も早い被災地の復興・再生を実現するために、全力を傾注してまいります。


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