玉木雄一郎代表の国会での代表質問に対するヤジをきっかけに、選択的夫婦別姓への社会的な関心が高まっている。選択的夫婦別姓制度の実現を推進する立場から、国民民主党は3月10日、パネルディスカッションを党本部スタジオで開催。パネリストとして、坂本洋子・NPO法人mネット/民法改正情報ネットワーク理事長、井田奈穂・選択的夫婦別姓/・全国陳情アクション事務局長らを招いた。国民民主党からは、玉木雄一郎代表、矢田わか子・国民民主党男女共同参画推進本部事務局長が参加。司会進行は、大西健介・国民民主党国民運動局長が務めた。
なお今回、新型コロナウイルス対策の一環として集会開催の自粛が求められている現在の状況を考慮し、規模を縮小。パネルディスカッションは、ネット放送を中心に行われた(YouTubeとニコ生にてライブ中継。その模様は、YouTubeライブ:https://youtu.be/0wIwkvX8voQニコニコ生中継URL:https://live2.nicovideo.jp/watch/lv324407506 から視聴が可能)。
この日、ディスカッションに参加した玉木代表は、「イデオロギーや宗教観は置いておいて、現にこれが理由で結婚できないという若い人たちの声を実際に聞き、まず困っている人々の話を聞いてみよう、という発想がこのテーマの原点にある。『選択的(夫婦別姓)』なので、人に強制をする話ではない。私の代表質問が、人々が事実を学ぶきっかけになってよかったと思う」と語った。
また「少子化の理由の一つとなっているというお話もあったが、結婚したい人の障害となっている制度があるのであれば、それを取り除いた方がよいのではないか」
「晩婚化の時代でもあり、結婚するまでに様々なキャリアを積み重ねている方も多い。結婚という行為をきっかけに、論文を検索しても名前が出てこなくなったり、仕事上の不利益を受忍する必要はない。森雅子法相、松島みどり元法相など、通称として旧姓を使っている政治家が多いのも、仕事上都合がよいからだろう」
「今の夫婦同姓の制度は、明治31年に導入された。長い日本の歴史を考えると、夫婦が同性だった時期の方が短いのでは。」
「選択肢が一つ増えるだけで、誰も困らない制度だと思う。与党の政治家も個人としては賛成している人も多い。そろそろ機は熟したので、法律を通してはどうか」と、発言した。
矢田わか子参院議員は、「会社の中でも旧姓と言うか通称で名乗ってもいいですよ、と言ってる会社は、今はほぼ半分ぐらいまでは来ている。私が勤めてた会社も早くから通称使用を認めてきた会社だった。私、実は人事社員やってまして、正直なところ実務をする立場としては、ものすごく混乱すると思ってきた。なぜなら通称使用と役所から届くいろんな公的な書類との名前は当然違う。照らし合わせの作業が当時から発生していた。あわせないと、いろんな公的な振り込み手続きするにあたって間違いが生じる」
「本当にありとあらゆる損失があると思っていて、個人で言えば、改姓すると、今持っている公的なもの ―例えばパスポートそれから運転免許証など― すべて書き換えが発生する。マンション持っていたり、家を持ってると、その権利書から登記簿から、全て変えなければいけない。カードも、たくさん持ってれば持ってるほどすべて変えなくちゃいけない。銀行の通帳から何から何まで。まだ女性が90%近い方が改姓されるので。皆さんの手間だけではなくて、それに付随する行政機関も当然、手間がかかる。ここには税金が投入されており、何時間も何十時間もかけて、それに対応している」
「国際的な視点でいうと、現状、日本人と日本人がこれ結婚した場合のみ、同姓でなければならないと民法で縛られている。離婚した場合は、旧姓または続姓を選択できるーーこれは1976年の民法改正によって可能になっている。そして日本人と外国人の場合、結婚の場合も離婚の場合も、どちらでも姓が選択ができる。唯一日本人と日本人の結婚だけが同姓じゃなければならないということなので、やっぱりこの不整合のところですね、どういう風にしていくのかというのが、大きな課題だ」と発言した。
※動画視聴は、https://www.youtube.com/watch?v=0wIwkvX8voQ&feature=youtu.be から。