玉木雄一郎代表は10日、大学院生や若手研究者の生活と研究環境の保障水準の向上を訴える「Change Academia」代表の山岸鞠香さんと対談した。
山岸さんはフランスのEcole Polytechnique 大学院修士課程数学専攻を経て、現在は理化学研究所AIP数理科学チーム研究パートタイマー。留学でフランスと日本を行き来しているうちに、日本の学生の経済的負担の大きさが異常であること、また、学術研究や研究者が疲弊していることも日本特有で、今後の持続可能性を考えると深刻な問題であることに気が付き、2019年4月より、こうした問題の解決に向けて自分ができる範囲で行動を起こそうと考え、SNSで発信したり、個人的な紹介を頼りに日本の大学院生事情について諸方面に訴えかけたり、行政機関の方に話を聞いたりなど孤軍奮闘する中で、同年6月「Change Academia」を結成した。現在、当団体に携わっている大学院生は100名程度。
山岸さんは「フランスに留学した時、つくづく日本は遅れていると再確認した」と述べ、フランスでは博士課程になれば給料も払われ、労働者として認められ健康保険や失業保険、産休育休まで補償されている。日本は給料が出ないどころか、逆に学費を負担させられると指摘。「日本ではアルバイトで40時間以上働いている研究者が13.4%近くいる。ポスドク(博士号取得後に任期制の職に就いている研究者およびそのポスト)の平均年齢は37歳。利子付きの学生ローンを払っている人から研究者への道を離脱していくのは当たり前。その結果、今残っている研究者はお金に困ったことがない人が多いので、現実問題に気付かない」などと語った。
玉木代表は「ハイスペックな人たちの集まりなだけあって資料も完成度が高い」と絶賛。「日本は諸外国に国際水準から圧倒的にずれてきている。開拓する分野が圧倒的に大きいのでチェンジメーカーになりやすい。これからはあなた方のような若い世代の女性が活躍していかなければ日本は良くならない。党としても出来ることはぜひ協力したい」とエールを送った。