原口委員長会見の模様

 「政策を後手かつ小出しにするのはやめるべき」。6日、国会で原口一博国対委員長、奥野総一郎同代行が定例会見を開催。原口委員長は、野党が数か月前から緊急事態宣言の適用を主張していたこと等を指摘。政府が今頃になり人工呼吸器等の医療機器の不足等に対応しようとしていることを批判しました。

 原口委員長は、あいかわらず新型コロナウイルス感染を判定する検査を受けられない人々が多いことを取り上げ、「医師が検査を希望しても受けられない。何が隘路(あいろ)になっているのか。このままでは日本の感染は止められない」と、検査数が伸びない原因を究明する必要性を訴えた。

 政府が所得が減収した人にだけ収入補償を行う、としていることについては、「収入の減少をどう証明するのか。そのために役所に人が押し寄せることは目に見えている。感染拡大につながらないか」と、政府の補償政策を批判した。また一斉休校の影響で休職した保護者への間接的な助成制度から「接待を伴う飲食業」や「風俗業」が除外されていることについても、政府の対応を批判した。

 会見に先立ち行われた野党国対委員長会談では、緊急事態宣言への対応を話し合ったと説明。与党が宣言が出された後も法案の審議日程を変えようとしていないことを批判した。法案に優先順位をつけ、不要不急の法案については取り下げることも検討すべきだ、との意見で一致したこと、人が密集する本会議や委員会の審議のあり方についても、議院運営員会で早急に結論を得ることを求めることになったことを明らかにした。

 また政府が3月末に政令を書き換えて、新型コロナウイルスを感染症法の1類に格上げしていたことについて、奥野総一郎国対委員長代行は、「感染場所の交通規制などを行えるよう、政令を改定したようだ。その一方で本来、感染症法で感染者は全員病院に入院させるはずだが、軽症者はホテルに移ってもらうとしている。こうしたことについて、国会や国民に対する説明がない。緊急事態宣言についても、その根拠をきちんと説明すべき」「政府のチェック機関として、国会は開いておくべきだが、国民に対して行動自粛を求めている一方、多数の人々が国会に集まることによる感染リスクもある。開催頻度を減らすなどの工夫が必要だろう」と語った。

 奥野代行は「諸外国を見ると、状況の将来の見通しや、国民に対し政府がどんな協力を求めているのかについて、きちんと説明がなされている」と、諸外国に比べた日本政府の説明不足を指摘。原口委員長もこれに同調し、「検査件数、コミュニケーションをともに世界水準に達するようにすべきだ」と、語った。