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 玉木雄一郎代表は、政府・与党が18日、検察庁法改正を含む国家公務員法等改正案の今国会での採決見送りを決めたことを受け、党本部で記者団の取材に応じた。

 玉木代表は多くの国民が反対の声を上げたことについて、「採決の見送りは異例のことだ。特にネットを通じて多くの方、普段は政治にあまり関心をもって来なかったような方、さまざまな分野の方が声を上げたことにより採決見送りが実現した。国民の皆さんの力によって、政治が変わったのだという1つの大きな成果だ。これからもぜひ多くの声をあげていただき、おかしなことはおかしいと正していく政治、正直な政治を実現して行かれるようにしたい」と敬意を表した。

 その上で、「採決が見送りになったことで問題が解決したわけではない。そのまま法案を臨時国会に先送りするのではなく、検察官の独立性、中立性を害することがないよう、検察官の定年延長、役職定年の延長については法案から切り離す、削除することを求めたい。昨年11月の時点で政府が検討していたシンプルな、1律に退職年齢を引き上げるという案に戻すことを強く求めていきたい」と表明した。

 続けて、「もう1つは、筋が悪くて質の悪い法案をつくることの前提となったのは、今年1月31日の黒川東京高検検事長の定年延長の閣議決定だ。2月に山尾志桜里議員が予算委員会で過去の政府見解を示したことで閣議決定の問題点が明らかになり、それを後付けで正当化するような形で今回の法案が出てきた。根本原因である1月31日の黒川検事長の定年延長自体の見直しを求めていかなければならない。人事院から法務省に解釈変更が問題ないということで回答したと言われる文書の日付が分からないままだ。日付入りの電子情報を添付した形での情報公開を改めて求める。それがないのであれば、定年延長については正当性がないということで撤回を求める」と語った。

 また、検察幹部の定年延長を認める基準について「政府は人事院規則に即して基準をつくると言っているので、採決見送りで時間ができたことだし、ぜひそれをつくって見せてもらいたい。私は検察官の定年延長だけを認めるような形の特例基準はつくることが不可能だと思う。特例的な措置を入れたままでは、今の法律は臨時国会に先送りしても通らない。与党の中で改めて議論し、直してもらいたい。野党としても引き続き、法案の問題部分の削除を求めていきたい」と述べた。