関健一郎議員が質問に立つ

関健一郎議員が質問に立つ

 衆院本会議で10日、政府提出の「卸売市場法及び食品流通構造改善促進法の一部を改正する法律案」に関する質疑が行われ、国民民主党・無所属クラブの関健一郎議員が質問に立った。

 「卸売市場法」の改正案は、中央・地方の卸売市場の開設を従来の認可制から認定制にし、民間事業者の参入も認めるというのが主な内容。その結果、現行卸売市場法では細かく規定されている各種取引ルールが、新制度ではすべて各卸売市場が自由に設定できることになる(※)。 また卸売市場の取扱い品目が食品と花きであれば制限がなくなり、例えば現行制度では扱えない米も扱えることになる(医薬品目的など特殊なものについては制約が課せられる)。

 「 食品流通構造改善促進法 」の改正案は、食品等の流通の合理化を推し進めようとするもので、農水大臣に合理化のための基本方針や事業計画を策定する権限を与える。農産物などについて中間搾取を減らし、農業者所得の向上を目的とする。スーパーの買いたたきなど不公正取引が問題化していることを受け、そうした不公正取引があれば、公正取引委員会に通知することを定める。

 関議員は、「卸売市場法」改正案については、(1)取引ルールの改正が、市場関係者・消費者にとって本当にメリットのあるものなのか(2)これまで禁止してきた規制を存続させるかは「卸売市場ごとに関係者の意見を聞くなど公正な手続きを踏み」とあるが、資金力が大きい関係者の意見が通りやすいのは自明の理であり、大手小売資本など資金力のある事業者が卸売市場の開設者となった場合、これまでの規制がいいように変えられてしまうのではないか(3)消費者の利益を代表する仲卸や買参人(ばいさんにん=売買参加者)を介さなくなることで、価格形成、需給調整、品揃えなど、非常に重要な役割を卸売市場が果たすことができなくなるのではないか――等を指摘した。「食品流通構造改善促進法」改正案については、食品流通の簡素化を進めている欧米諸国の中には、わが国と比較して「食品小売業で寡占化が進み、価格交渉力が強まり、農業者はより厳しい立場に置かれ、農業者の立場を守るための施策を講じなければならない国」もあることから、わが国も同様に、食品小売業の寡占化を進めることを目指しているのか、そうであれば、農業者の取引条件悪化の懸念についてはどう対処していくのか、また全国各地にある「八百屋、魚屋、地元の小さなスーパー」に象徴されるわが国の食品流通システムの在り方についてはどう考えるのか、等を質した。

 ※それらの取引ルールには、例えば第三者販売(卸売業者がその市場の仲卸業者や、売買参加者以外へ販売をすることで、現在は原則的に禁止)や、商物分離(例えば、卸売業が在庫を持たず、顧客からの注文があると、直接メーカーから配送してもらう直送卸売など)、直荷引(仲卸業者が、その許可にかかる取扱物品の部類に属する生鮮食料品等を、その中央卸売市場の卸売業者以外のものから買い入れて販売すること)といったものが含まれる。

衆院本会議卸売市場法及び食品流通構造改善促進法改正案質疑関健一郎議員質問予定稿