後藤祐一議員
 

 衆院本会議で16日、国家公務員法等改正案に関する趣旨説明と質疑が行われ、国民民主党の後藤祐一議員が共同会派「立憲・国民・社保・無所属フォーラム」を代表して公務員制度担当大臣らに質問した。

 改正案は、平均寿命の伸長や少子高齢化の進展を踏まえ、知識、技術、経験等が豊富な高齢期の職員を最大限に活用するため、定年の65歳引上げについての国会及び内閣に対する人事院の「意見の申出」(2018年8月)を踏まえ、国家公務員の定年を段階的に引き上げるとともに、役職定年制の導入、60歳に達した職員の給与などを規定するというもの。
 後藤議員は、人生100年時代を迎える中、社会全体として、知識、技術、経験等が豊富な高齢期の国家公務員に引き続きその能力を発揮して活躍してもらうという定年延長の目的について「公務員のみならず、民間労働者も含めた国民的な要請である」との認識を示した。
 その上で、提出法案で勤務延長の規定を検察官にも適用する点に関して、検察官は例外を除き起訴する権限を独占するという極めて強大な権限を有しているため、内閣からの独立性の確保が重視されてきたが、安倍政権が黒川検事長を63歳定年後も閣議決定で勤務延長させている問題を取り上げ、「政治介入を招きかねない」と深刻な懸念を示した。
 さらに、検事長をはじめ、次長検事、検事正、上席検察官が63歳になると平検事になる、いわゆる検察官の「役降り」制度が導入される一方、63歳以降も「役降り」せず勤務延長できる制度が設けられたことにも「政治介入の余地が残ってしまうのではないか」と疑問を呈した。後藤議員は、この2点について検事の独立性を守るための修正案を共同会派として提出する意向を表明し与野党議員に賛同を求めた。