大塚耕平共同代表は14日午後、国民民主党共同代表として初の参院予算委員会集中審議の質疑後に記者団の取材に国会内で応じた。

 予算委員会質疑の感想を問われ、「総理は加計学園問題や森友事件に関して必ずしも正直に発言していない印象を受けた。特に午前中の衆院での玉木共同代表が質問した部分に私も一番関心があったのだが、構造改革特区で10数回もチャレンジして、なかなか前に進まなかったということであれば、(加計理事長と安倍総理は)友人でもあるわけだから、当然そういう話は聞いているはず。それを聞いていなかったと説明されるところに、正直に国会で発言しておられないのではないか、あるいは後ろめたいことがあるのではないかという疑念を呼ぶわけで、総理にはこうした点について、今後もしっかりと答弁してもらいたい」と注文をつけた。

 同日午前の衆院予算委員会での玉木雄一郎共同代表の質疑の際、安倍総理が、構造改革特区制度を使って獣医学部設置に繰り返し挑戦していた事業者が加計学園だと当時から知っていたと受け取れる答弁をしたことに言及。2017年1月20日に加計学園の獣医学部新設が国家戦略特区として認定された時点で初めて知ったとこれまで国会で語ってきた安倍総理の答弁が崩れつつあると指摘した。

 40分の質疑時間で、外交、加計学園、森友学園、経済問題と幅広く質問した狙いを問われると、「私たちは5月7日にできた新しい党として、『正直な政治』『偏らない政治』『現実的な政治』を目指している。現実にさまざまな問題を日本は抱えているので外交も経済もまったく取り上げないというわけにはいかないので、短い時間ではあったが大事なところを質問させてもらった」と語った。

 国民民主党になって衆参両院の議席数のバランスが良くなり、同じ日に衆参両院で国民民主党議員が総理に質問する形が整ったことに関して「新党としてうまく対応できたと考えるか」との記者の問いには、玉木代表とは連絡を取り合い、安倍総理にさらに問うべき点等について電話で話があった旨を紹介し、「コンビネーションはうまくできた」と語った。そのうえで、衆参両院で「国民民主党」の看板を掲げた議員が質問することに関して「非常に意義がある。二院制をとっている以上、両院で同じ政党の議員が連携しながらさまざまな政策を追求し、時に事実を解明していく。これをきちんと機能させることは政党の使命。ようやく正常な形の政党としてスタートできたと思っている」と語った。今後の国会質疑の在り方に関しては「われわれは『対決』よりも『解決』を目指す政党ではあるが、しかしあまりに不正直であったり、あまりに偏っている場合にはやはり対決せざるをえない。この加計学園問題と森友学園事件については、度が過ぎた不正直さが明々白々なので、この部分については今後も対決していく」と、森友・加計問題に関しては真っ向から対決する考えを強調した。