参院で27日に行われた党首討論の終了直後、大塚耕平共同代表が記者団のぶら下がり取材に応じた。

党首討論で取り上げたテーマについて

 冒頭、党首討論で「財政健全化」と「外国人労働者の受け入れ策」の2つのテーマに触れた理由について「まさしく国家基本政策委員会なので。外国人労働者の受け入れについて、今回の骨太の方針に書いたことはものすごく大きな影響がある。そういう意味では日銀出身だから、ということではなく、あの問題は取り上げざるを得ない。あと骨太方針で財政健全化を5年間先送りしたのは、この5年間、財政再建について何もしなかったのと同じ(だから)」と説明。財政健全化の目安となるプライマリーバランス(PB)の黒字化について「心配はしていない」という総理の主張については、「心配していないというのなら、本当に心配。もう少し客観的な説明を第三者から受けた方がよいと思う。必要があれば私が行く。(財政健全化について)心配していないというくだりは極めて心配だ」と安倍総理の発言を憂慮した。

党首討論の歴史的使命について

 党首討論の歴史的使命は終わったのではないか、という安倍総理の発言について受け止めを問われ、「私はそんなことはないと思う。(逆に)歴史的使命が増すように、運営の仕方を工夫すべき。まずは時間。野党の党首がこうやって何人か一緒にやるんだったら当然2時間とか、そういう枠が必要だと思う。さもなければ、元々は毎週やると言っていたわけで、45分間で野党党首が複数いれば、質問できる党首は2人とか、そういうルール化をしたらよいのではないか」と、まずは運営を工夫することによって内容をより充実させることに注力すべきである旨、答えた。

 総理の答弁内容についても、「質問に対してジャストミートするような答えがなかなか返ってこない。総理として主張したいことがあるのは分かるが、総理の発言機会は山のようにある。やはり限られた時間の中で、質問者の質問にきちんと的確に答えていれば、あの短い時間の中でももう2、3問は質問できたのではないか。今後も総理には、常にそういった努力をしてもらいたい」と総理の答弁にも注文をつけた。

日本の民主主義に欠けているものについて

 最後に、国民民主党の結党宣言を引用した狙いを聞かれ、「党の知名度が低いから(笑)。それと、正直な政治、偏らない政治、現実的な政治。この3つが欠けているから、日本は高度成長期以降――今もそうだが――迷走しているのだと思う。例えば、今回の外国人労働者の受け入れ。あれを移民政策と言わないでなんと呼ぶのか。こういうところが不正直。それと財政健全化。『心配です』というのが正直な答弁。これを『心配ない』と繰り返しているから、いまだ財政健全化は先送りの連続だ」と、今の日本の政治に欠けているのは、特に『正直さ』にある点を強調した。