党エネルギー調査会(大野元裕会長=参院議員)は12日、東京・港区にある「田町スマエネパーク」を視察した(写真上は太陽熱集熱器真空管について説明を受ける一行)。
スマート・エネルギー・ネットワーク(スマエネ)とは、熱・電気・情報をネットワーク化し、地域全体でエネルギーを地産地消するシステムで、省エネや環境性、防災性の向上に貢献することが注目されている。田町スマエネパークは、地域のエネルギー供給について、これまでのガス・コージェネレーション・システムのほか、太陽光・太陽熱などの再生可能エネルギーや、年間通じて温度がほぼ一定の特性を持つ地下水といった未利用エネルギーの活用を組み合わせるとともに、エリア全体のエネルギー需給を一括して管理・制御することで、CO2排出量について2005年比で30%の削減を図るなど、省エネ・環境性の向上を実践している。また、公共施設や病院などがある「くらしの拠点ゾーン」とオフィス・商業施設が集積する「都市の拠点ゾーン」のそれぞれの街区を受け持つスマート・エネルギー・センターを連携制御することで、災害時の相互バックアップなど防災力の向上を図りながら、スマート・エネルギー・センター全体での省力化を実現している。
一行ははじめに、システムの運営主体である東京ガスより、民間事業者や公共施設、病院などの需要家側とエネルギー事業者で構成される専門部会(スマートエネルギー部会)を設け、そこでCO2削減目標などを協働して策定し設計に反映させたことや、共通目標を達成するための積極的なエネルギー使用の「見える化」とPDCAの実践を図っている等、施設運営の概要について説明を受けた。
その後、オフィス・商業施設にエネルギー供給を行う「Ⅱ街区スマエネセンター」について、ガスエンジン・コージェネレーション・システム、小型貫流蒸気ボイラー、真空管式太陽熱集熱器などの施設設備や、エネルギー需給を一括管理する制御室を視察した。
参加した議員からは、各設備についての仕組みについての質問があったほか、こうしたスマエネを他の地域に展開するにあたっての課題や、ここで得た知見を今後どのように活用していくか、などについて質問がなされるなど、率直な意見交換が行われた。
この視察には、調査会長の大野参院議員のほか、調査会事務局長の矢田わか子参院議員、党副代表の津村啓介衆院議員、吉良州司衆院議員、浜口誠参院議員、浅野哲衆院議員が参加した。