委員会でパネルを説明する階猛議員

 衆院予算委員会で5日、玉木代表に続き2018年度第2次補正予算の基本的質疑に立った階猛議員は、(1)統計不正など政府による一連の不祥事の問題(2)消費税引き上げに伴う負担軽減措置として政府が掲げているポイント還元策――などについて政府の姿勢を質した。

 階議員はまず、昨年初頭から発覚してきた一連の不祥事――(1)2月に裁量労働制をめぐるデータに発生の不備が見つかり(2)3月には財務省で首相夫人に関する記述のある森友学園への国有地売却に関する決裁文書が改ざんされ(3)4月には防衛省で不存在とされていた陸上自衛隊イラク派遣の日報が存在することが明らかになり(4)5月には、柳瀬首相秘書官が前年の国会答弁を翻して加計学園関係者と首相官邸で何度も会っていたという答弁をしたこと、そして(5)今回の一連の統計不正の問題の発覚――など、国権の最高機関である国会への冒とく行為や国民への背信行為と捉えられかねない、重大な不祥事が続いてきたにもかかわらず、政府のトップである安倍総理が引責辞任しないのはなぜかと問い質し、安倍総理の辞任を迫った。

 さらに階議員は、去年こうした問題が発覚した時に総理が「うみを出し切る」という言葉を頻繁に用いていたことを取り上げた。昨年6月25日の参院予算委員会では、わが党の浜口誠議員がうみを出し切るとはどういう意味か尋ねたのに対し、行政をめぐるさまざまな問題に陳謝した上で、「二度とこのような問題が起こらないように再発防止に傾注する」「徹底的に解明」というような言葉を用いたと指摘。ところが実際には6月以降も(1)毎月勤労統計に関する違法不当な行為が行われていた(2)東京都について行った違法な調査のやり方を他の地域にも広げるような通知を出していた(3)9月には総務省の統計委員会で厚労省の役人が虚偽の説明を行った(4)12月には根本匠厚労大臣が不正を認識した後も、翌年になるまで問題を公表してないこと(5)1月には監察委員会による厚労省職員への聞き取りの大半に同省幹部らが関与していること。こうしたことを列挙した上で、「総理が16回もうみを出し切るという発言をしているのに、厚労省はこれをあざ笑うかのようにうみを垂れ流し続けている。どうしてこんなことが起きてしまうのか」と、不祥事の連鎖を止められない現状に対する安倍総理の見解を質した。

 そして、これまで野党が求めてきた森友学園・加計学園問題、それから今回の統計問題について、関係者の参考人招致・証人喚問に応じるべきではないかと訴え、この問題についての質問を締めくくった。

ここ一年で発覚した政府の不祥事

ここ1年で発覚した政府の不祥事

 続いて階議員は、今年10月の消費増税の対策として安倍政権が導入を決めているポイント還元策について政府を問い質した。階議員は(1)ポイント還元策の予算として政府は約4千億円を見込んでいるが、本当にそれで収まるのか。収まらなくなった場合、そこで還元策を打ち切るつもりなのか(2)総額で2~3兆円かかるとの予測もある中、何度も予算枠を拡大していくと結局、税収レスとなり、本末転倒ではないか(3)今回2%分の増税(8%→10%)で、消費税率は10%となるが、5%分の還元策で消費者の実質的な消費税の負担は5%となる。しかしこの還元策の期限が切れた後は、今度は実質的な消費税率が5%から10%へ、いきなり5%分の引き上げとなってしまう(4)今回の対象となる店舗は中小の小売サービス飲食店となっているが、個人経営の高級料亭でポイント還元が受けられる一方、大手のファミレスではポイント還元が受けられない――などの問題点を指摘。

 そして正しいキャッシュレスのあり方の例として、階議員は党の視察で訪れた千葉県の木更津市が、信用組合と協力して発行している「アクアコイン」と呼ばれる電子地域通貨を取り上げた。階議員はアクアコインの場合、(1)プリペイド式なので、個人が無用な借金を負うリスクがなく、キャッシュレス消費に馴染みがない人でも恩恵を受けることができる(2)利用する際のポイント還元に加えて、市が指定する活動への参加でもポイントが貰え、地域経済だけでなくて地域コミュニティの活性化にも役立つ――などのメリットを挙げ、「正しいキャッシュレスに取り組んでいる自治体や金融機関に対して国が支援を強化すべきではないか」と問いかけた。

PDF「階猛議員・2月5日予算委提出資料」階猛議員・2月5日予算委提出資料