衆院予算委で質問に立つ前原誠司議員

 衆院予算委員会で20日、外交・防衛・内外の諸情勢に関する集中審議が行われ、国民民主党の1番手として前原誠司議員が質問に立った。

 前原議員は、安倍政権の経済金融政策や米国との通商交渉、日ロの領土交渉などを取り上げた。具体的には、(1)これから始まる日米物品貿易協定交渉では、通貨安誘導を阻止するための為替条項を協定に盛り込む考えを米国側が明らかにしているが、為替条項は交渉の対象になるか(2)為替問題を交渉対象とすることは国益に反するということを明言しないのか(3)安倍政権下で続く異次元の金融緩和政策が円安を招いている要因となっていることについて認識しているのか(4)日本の経済成長率が諸外国と比較して相対的に下がっている点についての総理の認識(5)日ロの領土交渉で「固有の領土」という言葉を使わなくなったことが日本の立場の変更を意味するのか――などについてただした。

 前原議員は、民主党政権時代の実質経済成長率(実質GDPの伸び率)の平均が1.6%であったのに対して、安倍政権下では1.2%であることを取り上げ、安倍政権が誇るアベノミクスの成果について疑義を呈した。前原議員は「ここでの大きなポイントは何かと言うと、民間最終消費。民主党政権の時は1.2で、安倍政権では0.5だ。GDPの6割が消費だから、つまりは消費が上がってこないことが大きなポイントになっている」と指摘した。

安倍政権下、日本の実質成長率ランキングは最下位近くまで低下

安倍政権下、日本の実質成長率ランキングはOECD加盟国中、最下位近くまで低下した

 またOECD加盟国36カ国の中で、加重平均でみた実質成長率の順位を見ても、民主党政権時代には20位だったのが、安倍政権下では32位と、最下位に近い順位に下落したことにも注目。この点について安倍総理の認識をただした。(1)現状、デフレではない状態となっている(2)名目成長率では大きく成長している(3)低成長なのは事実。成長戦略を加速させて、潜在成長率を高めていく必要があると思っている――との安倍総理の答弁に対し、前原議員は「『三本の矢』というのは、6年前からやっているのではないか」と反論。そして世界の中でどんどん順位が落ちていってるということについては、単に成長戦略を加速させるのではなく、もう少し本質的に今の政策が本当に正しいのかどうかをあらためて振り返ってみてもいいのではないか」とただした。

PDF「2月20日前原議員・予算委配布資料」2月20日前原議員・予算委配布資料