長期契約法改正案への討論を行う斉木武志議員

 衆院本会議で12日、「特定防衛調達に係る国庫債務負担行為により支出すべき年限に関する特別措置法の一部を改正する法律案」(長期契約法改正案)の討論が行われ、斉木武志議員が反対討論を行った。

 斉木議員は、(1)本法案で防衛費の縮減効果が認められない(2)わが国の防衛産業の衰退、防衛政策の自主性の低下(3)高額装備品の無責任な爆買いにつながる恐れ――等を反対理由として述べた。

 2018年度第2次補正予算で過去最大の約4000億円を計上し、さらに2019年度本予算では5兆円を計上しており、GDP比約1%以下で防衛費を収めているように見せかけているが、実際には補正予算と合わせると1%を大きく上回っていることを指摘。岩屋防衛大臣が示した中期防衛計画では、イージス・アショア等極めて高額な装備品の購入を見込んで、5年間の総額が過去最高の27兆円となっており、「一体どこにそんな財源があるのか」と疑問を呈した。

 また、2019年度本予算に長期契約法の対象として、FMS(米国製の兵器等を有償で提供を受けること)で取得する早期警戒機E-2Dを9機含めていることを取り上げた。FMS自体が全て見積りであるので、米国の言い値で価格が膨らむのではないかを懸念。斉木議員が委員会で、コストや納期をコントロールするのかを質疑した時も、岩屋防衛大臣は「米海軍との間で最大限努力することを確認」という説得力に欠ける答弁をしたことを取り上げた。こうしたことから、FMS調達は「長期契約になじまず対象に加えるべきではない」「日本の防衛産業の衰退を招く」と述べ、安倍政権の無尽蔵な防衛費の増加、FMSの増加に今後も厳しく対峙していくと訴えた。

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