矢田わか子議員

 「苦渋の選択で賛成する」。参院本会議で13日、「新型インフルエンザ特措法改正案」の討論に矢田わか子議員がたった。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に現行法を適用していれば、最初から各都道府県が法的根拠をもって主体的に行動計画を立てることができたことや、緊急事態宣言の要件のあいまいさ、私権の制約や自由な行動の制限が人権や財産権の侵害にならないのか等の問題点を指摘しながらも、「現行法の目的に沿った措置の展開が国民の生活と健康を守り、経済活動の停滞防止につながると判断した」と賛成する理由を述べた。

 矢田議員は、現行法が適用できたことの主張以外にも唐突な小・中・高校等の一斉臨時休校の要請、イベント等の中止要請、中国・韓国からの入国制限などの政府の施策を「法に基づかない対策を次から次へと出した」と述べ、多くの国民に日常生活や働き方、子育てにおいて混乱をきたし、経済活動全体に大きな利益損失を伴う影響がもたらされていると指摘。そのうえで、「国民が求めるものは、この新型コロナウイルスの感染を食い止め、日常生活を取り戻すこと。そして、感染によって被った経済的な損失を十分に補償することにある」と力を込めた。

 補償については、パートタイマーやアルバイト・派遣労働者・フリーランスなど非正規を含めた働く人への保障が優先されるべきと訴え。観光・サービス業・小売業を中心に影響を受けた中小・零細企業、個人商店への損失補償や事業承継支援等の損害や損失への補償とともに、家計支出を増やす減税の実施や社会的弱者への重点的な対策を講じるように主張した。特に子育て家庭は3~4月の支出が増えるため、雇用調整助成金の早期支給のための手続きや、早急に現金が行き渡るように支援体制を整えるべきと強調した。

 また、政府に対しては、暴走することなく丁寧な国会報告をおこない、野党や国民の声を尊重し、新型ウイルスという未知の脅威との戦いを一歩でも前に進むことができるように「与野党超えて知恵を絞りあおう」と呼びかけた。

 なお、矢田議員は本会議に先立って、内閣委員会で参考人として招致した独立行政法人地域医療機能推進機構理事長の尾身茂氏、同志社大学法学部教授の川本哲郎氏に質疑をし、委員会採決前にも討論をおこなった。

PDF「新型インフルエンザ特措法改正案 討論原稿 矢田わか子議員」新型インフルエンザ特措法改正案 討論原稿 矢田わか子議員