国民民主党は14日、「手話言語法案」「視聴覚障害者等の意思疎通等のための手段の確保の促進に関する法律案」(通称・情報コミュニケーション法案)を野党4党(国民、立憲、共産、社民)で衆院に共同提出した。国民民主党会派からは岡本充功議員、原口一博議員、大西健介議員が衆院事務総長への法案手交に参加した。
「障害者の権利に関する条約」に手話が言語の一つであるということが明記され、日本では「障害者基本法」にも「言語(手話を含む。)」と規定されている。しかし、手話で教育を受ける環境などが整っていない。また、視聴覚障害者等は、情報アクセスやコミュニケーションで制限を受けている。視聴覚障害者等が自由に情報にアクセスでき、自らのコミュニケーション手段を選択できるようにすることが求められている。国民民主党は、こうした現状を改めて、障害のある人とない人との共生社会を実現するため、この2法案を衆院に提出した。
(1)「手話言語法案」
手話が独自の体系を有する言語であり、ろう者が日常生活及び社会生活を営む上で重要であることに鑑み、手話の習得及び保存に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、基本理念、国等の責務、手話基本計画の策定、基本的施策(母語としての手話の習得に対する支援、中途失聴者の手話の習得に対する支援等)を定めるもの。
(2)「視聴覚障害者等の意思疎通等のための手段の確保の促進に関する法律案」(通称・情報コミュニケーション法案)
視聴覚障害者等の意思疎通等のための手段の確保等の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、基本理念、国等の責務、基本計画の策定、基本的施策(視聴覚障害者が適切な医療サービス・福祉サービスを受けられるようにしたり、能力及び年齢に応じた教育を受けられるようにするために必要な施策を講ずること等)を定めるもの。
法案提出後の記者会見で原口一博議員は「障害者権利条約では、合理的配慮がないものは差別とされている。コミュニケーションのツールを1人ひとりに保障していくことが大事で、この法案の提出に至った」と法案提出の意義を説明した上で、「与党の皆さんにもご理解いただいて早期の成立を図っていきたい」と語った。また、岡本充功議員は「日本が国際社会の中で、障害者の権利を確立していくという先頭に立っていく」、大西健介議員は「2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて法制定していきたい」とそれぞれ意気込みを語った。