参院本会議で19日、児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案の討論・採決があり、国民民主党から木戸口英司議員が登壇し、賛成の立場から討論を行った。
木戸口議員は冒頭、衆院で全会一致で修正可決した本改正案について、「児童虐待という待ったなしの問題の解決に向けて、与野党一丸となって取り組むことの決意があらわれたもの」として、一定の評価を示した。しかし野党案に盛り込んでいた内容の中に「残念ながら修正協議で合意に至らなかった部分もあった」と指摘。そのような事例として、(1)児童福祉司の増員について、明確な数値目標を法律に明記できなかったこと(2)民法の懲戒権について、野党案では「早急に検討を加える」としているのに対し、本法案では「施行後2年を目途に検討」としている点(3)中核市及び特別区における児童相談所の設置について、野党案では「必置」としているのに対し、本法案は「検討」規定に盛り込まれているにすぎない――といった点を取り上げた。
また野党共同修正によって一定程度前進をしたものの、野党案が求める水準には今一歩届かなかった項目として、児童虐待をしてしまった保護者に対する再発防止のための支援プログラムとDV対策を挙げた。また今後の課題として、全国的なデータベースの整備、児童福祉法へのアフターケアの明記などを取り上げた。
木戸口議員は、野党法案の趣旨をくみ取り、法律を着実に実施することを政府に要望し、賛成討論を締めくくった。