平野博文幹事長は6日、参院和歌山選挙区から野党統一候補として立候補した藤井幹雄(ふじい・みきお)候補を激励するため、和歌山県伊都郡かつらぎ町を訪れ、「藤井幹雄を励ます会」に参加。この会合には、連合和歌山の池田祐輔会長も出席した。平野幹事長は、かつらぎ町出身で18才まで故郷のこの町で過ごした。
応援演説の中で平野幹事長は、自らすでに全国8千キロメートル近くを移動してきたことについて触れつつ、「東京を中心とした首都圏と、故郷・地方との格差がますます広がっている。道を通っていても中山間地が(荒れた)山に戻っていっている。これからの10年20年後の日本を考えた時、日本全体の、国土の安定的な発展が望めるのか。あらためてこの点については、問うていかなければならない」と、全国に広がる地域格差について危機感を露にした。
その上で、「特に農業では、先祖伝来の田畑を維持して地域の発展にご苦労いただいている方の大方は年金世代。その方々の代が変わったら誰がその田畑を維持するのか。あと10年もすれば耕作放棄地が九州の面積に達することになる。それで本当にこの国の発展は願えるのか」と日本の農業政策に疑問を表明した。
さらに平野幹事長は「令和は、多文化共生社会だ。多様化した時代にどう向き合うか。今回、藤井さんが立候補を決断した大きな理由の一つである人権、これは今の時代、大きな問題だ。これからの多様な社会では、さまざまな人権問題が発生する。人権というものを大事にしていく政治に戻さなければならない」「私の故郷かつらぎ町から素晴らしい方が立候補の決断をしてくれた。あらためて感謝を申し上げながら、どうか藤井幹雄さんを参議院の土俵に送っていただきたい」と、藤井候補への支援を訴えた。
この後、中学、高校の同級生などにその人となりを紹介された藤井候補は、感激のあまり一瞬涙ぐむ場面もあった。トライアスロンが趣味という藤井候補は、「この3日間、和歌山を自転車で走りまわらせていただいた。その時『がんばれ』と掛け声をかけてくれたり、人が家から飛び出してきてくれたりした。走りながらあらためて地元、故郷の地元かつらぎ町を中心とした、紀北地域の皆さんに支えられて、この選挙運動ができているんだな。なんて幸せなんだろうと感じると同時に、責任の重さを痛感しながら走り回っている」とも語った。
また世耕弘成経産相と戦うことになったことについては「でもそれ、強いからって関係ないやん」というのが立候補を決意した時の自分の心境だったと語った。安倍政権の6年間で、頭にきたことが多々あったこと、2014年の集団的自衛権を容認する閣議決定から、約60回ものランチタイム・デモを和歌山市内で行ってきたこと、いわゆるモリカケ問題では、うそ、ごまかし、隠ぺい、国民をだます、国民をばかにする政権に対してお灸(きゅう)をすえなければならないと感じたことなど、立候補の決意に至った経緯を聴衆に説明した。「適当に審議して、一定程度の審議時間に達したら強行採決を繰り返す。このような国会は誰も見たくない。国会に緊張感を取り戻そう。安倍政治の暴走を止めよう!」と、訴えた。