第1回の政策研修会「挑戦する女性たち~現状と課題」を大阪市内で開催した

 国民民主党大阪府連合会は31日、女性議員擁立プログラムとして第1回の政策研修会「挑戦する女性たち~現状と課題」を大阪市内で開催した。矢田わか子大阪府連副代表(参院議員・党男女共同参画推進本部事務局長)の基調講演の後、パネルディスカッションが行われた。 矢田わか子大阪府連副代表(参院議員)と白岩正三豊中市議会議員

矢田わか子大阪府連副代表(参院議員)と白岩正三豊中市議会議員

 基調講演で矢田府連副代表は「女性が政治に入って行かないと世の中が変わらないと実感している。その思いを共有したい」として、昭和60(1985)年の「男女雇用機会均等法」制定から平成27(2015)年の「女性活躍推進法」制定までの30年を振り返り、女性活躍・女性差別禁止の法律の歴史は30年にわたり進められてきたが、依然として男女間の格差が大きな日本の現状を説明した。世界経済フォーラムが各国を対象に政治・経済・教育・健康の4部門について男女格差がどれだけあるかを分析したジェンダーギャップ指数が日本は年々低下し、121位となっている現状は深刻だと指摘した。さらに待機児童問題を例に粘り強く交渉して現状を変える重要性を強調し、そのためにも女性の視点が重要で、女性の政治家がもっと必要だと訴えた。

 パネルディスカッションに出席したイオン高の原店店長の兼松眞紀さんは、社内でほとんど認知されていなかった育児のための短時間勤務制度を利用し周囲のプレッシャーに挫けそうになりながらも乗り越え子育てをし、仕事を続けてきた経験を語った。育児期間に、経験も力も積み上げて、後に続く育休勤務者をフォローできる存在になれとの男性上司の言葉に背中を押されたというエピソードを紹介。また、「女性たちはたいへんというイメージを変え、やりたいという女性たちを増やしていくには当社でいえば女性店長たちがきっかけをつくらなければならない」と述べ、女性社員をどう育てていくかに力を注いでいることを語った。

これまでの経験を語る猪奥美里奈良県議会議員

これまでの経験を語る猪奥美里奈良県議会議員

 猪奥美里奈良県議会議員は、住民サービスの提供のなかでは女性固有の問題も多く、さまざまな気づきのなかで議会に提案し続けていると経験を語った。「女性議員は大変といわれるが面白さの方が凌駕している」「女性議員を増やす、女性の社会進出を後押しする私の役割は、私が楽しく仕事をすることだ。問題を解決していくことはめちゃめちゃ楽しい」と楽しさを象徴するような笑顔で報告した。また、男だから女だからの認識を変えるには教育が大事だと語り、「女らしく男らしく」ではなく「その人らしく」が普通の認識になるには学校の意識、親の意識が変わっていくことが重要だと述べた。

    最後に矢田副代表は、女性だけでなく男性も価値観を変えて、多様な価値観を活かしていく社会を実現したいと語った。

パネルディスカッションは経験に基づくさまざまな視点からの意見が交わされた。

パネルディスカッションは経験に基づくさまざまな視点からの意見が交わされた

 質疑応答で「選択的夫婦別姓はなぜ必要なのか」との質問があり、矢田副代表は、選択制であるから「どちらかの姓に統合する」のか「2つの姓の共存を認める」かを選べるようにするというものであり、従来通りどちらかの姓に統合することがいいというカップルは従来通りでいいと説明。そのうえで、「元の姓のまま生きたい」という女性の生き方ということにとどまらず、(1)二つの姓の共存を認めることで、一人っ子同士の結婚などでも両方の姓を残すことができる(2)学術論文・特許申請者の研究など姓を変えないことでデータ上でも円滑に引き継ぐことができる(3)特許等の申請者名変更手続き等の手間と申請手数料等の削減にもなるといったメリットがあると説明した。

 司会進行は山田けんた大阪府議会議員が、パネルディスカッションのコーディネーターは白岩正三豊中市議会議員が務めた。

集まった約100人の皆さんを前に熱く訴える矢田わか子大阪府連副代表(参院議員・党男女共同参画推進本部事務局長)

集まった約100人の皆さんを前に熱く訴える矢田わか子大阪府連副代表