玉木雄一郎代表は7日、東京都内で開催された電機連合議員団会議で「これからの日本の政治の在り方~『国民民主党』が果たす役割」をテーマに約40分にわたり講演をおこなった。
電機連合議員団会議は、全国の電機連合議員団(自治体議員含む組織内議員、協力議員)および加盟組織の政治責任者、地域協議会の事務局長など約150名が参加し、年に1度開催される。
玉木代表はまず、新型肺炎対策について政府の初動体制の遅れを指摘した上で、「しかしながら、批判ばかりしていても物事は進まない」とし、政府に申し入れた指定感染症の政令施行の前倒しが実現したことを報告。「今後も党として、喫緊な水際対策、国内蔓延対策の強化、とりわけ地方での医療体制の拡充を政府に求める」とした。
そして「日本では急激な少子高齢化が進む中、『異次元の金融緩和』というより『異次元の少子高齢化対策』をしていかないと追いつかない。驚くべきは、各省庁は現政権しか見ておらず、現政権が求めていない2020代年前半以降のデータは全く試算していない」と指摘。「だから我々がやるしかない。今は野党だが、少し先の未来をも見据えて逆算し、今やるべきことをを示すことができるのは我々国民民主党だ。「やるべきことは2つ。それは、豊かさのつくり方のルールを変え『所得格差』と『世代間格差』をなくすことだ」と提案した。
そして、所得格差について「実質賃金指数が長期にわたり下落しているのは先進国では日本だけ。日本の多くの上場企業は過去最高益を記録しているが、配当は働く人ではなく多くの海外の株主にまわっている。労働分配率は安倍政権になって43年ぶりの低さ。株主配当はこの20年で6倍になっているが、自社株買いも多いく、働く人、いわゆる家計に対する還元率が大幅に減っている。その原因は税制、とりわけ所得税に関する税制だ」と指摘。「日本の所得税は累進課税だが、唯一累進になっていない税がある。それが金融所得税だ。リッチな人ほど所得の割合は金融所得が増える。金融所得はどんなに儲かってもマックス20%。自分が持っている所得のうち金融所得が高くなればなるほど税負担は軽減される仕組み。10年、20年続けていれば格差は開くばかり。この仕組みは変えるべきだ」と強調した。
また世代間格差について「行政サービスから受ける受益と負担の割合は今の60歳以上の方はプラス4千万。50代でプラスマイナスゼロ。20代にではマイナス1200万、0歳に至ってはマイナス3300万。若い人の負担で高齢者の負担が成り立っている。ここを改めて行かねばならない」とデータをもとに説明。
「人生100年、何が起こるか分からない中、人間として尊厳を持って生きていける最低限の生活保障をどう再設計するのか。財源含めどうお示しするのかが政治のテーマだ」とし、「重要なのは、1つは、今の仕組みだと企業を豊かにしても政府や株主である外国人に資金が回るだけ。個人の貯蓄にも配当や金利を増やすなど、『家計第一』にして消費を豊かにして経済の好循環を図る政策に変換すべき。2つ目は世代間格差を無くし、人と未来に投資して、資源の無いこの国で技術立国日本を目指す志を立てて大胆な投資をすべきだ」と、繰り返し述べ、「そういう新しい答えをつくっていくのが国民民主党だ。皆様のお力添えをお願いしたい」と講演を締めくくり、参加者に理解と支援を求めた。
電機連合組織内議員である矢田わか子参議院議員(比例代表):「中央では国会ごとに様々な法律が成立する。法律が施行された後、地方で実際に実行してみたら細かな問題が起こっているとも多いと思う。自治体議員に皆様に寄せられる声を是非国会に届けて欲しい」
浅野哲衆議院議員(茨城5区): 「所属政党に対するご意見は多々あると思うが、政党というものは国会議員にとって『マイク』のようなもの。マイクを使わなければ声は広く遠くに響かない。しっかりと信頼できるマイクを使って声を上げて行きたい」