国民民主党は22日、2020年度定期党大会を党本部で開き、今年度の活動方針などを決定した。今年度の定期党大会は、新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴い、例年に比べ大幅に縮小する形で開催することとなった。例年のようにホテル会場などではなく、党本部に党関係者のみを参集し、ウェブ会議設備を活用するなどして会場に集まる人数を極力減らすとともに、国民に開かれた運営となるよう配慮した。
13時に大会実行委員会事務局長の川合孝典参院議員が大会の開会を宣言。大会主催者を代表してあいさつに立った。川合事務局長は、今定期大会が一度延期となった上に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐという観点から出席者を最低限に止めることとし、代議員のみによる大会となった、と大会開催までの一連の経緯を説明。「お声かけをさせて頂いた皆様ご来賓の皆様はじめ、関係各位には大変なご迷惑をおかけしたが、その点につきましてお詫びを申し上げるとともに、ご了承のほどお願い申し上げたい」とあいさつした。
川合事務局長は、大会議長に矢田わか子参院議員と江口善紀(えぐち・よしのり)佐賀県会議員を推薦し、全参加者の拍手で承認された。矢田議長の呼びかけで、台風15号や19号による豪雨災害など、昨年日本各地を襲った自然災害で犠牲になられた方々に、大会参加者全員で黙とうをささげた。
その後、党大会実行委員長の小宮山泰子衆院議員があいさつした。「先程、川合事務局長から説明があった通り、今定期大会は一旦延期した後、本日党本部で人数を制限した上での開催となった。出席を指定していた方々、また来賓としてご参加を予定頂いていた皆様方には大変ご迷惑をおかけしたことをお詫びしたい。またご理解をいただいていることに心から感謝を申し上げたい」と述べるとともに、「今大会ではウェブ会議システムも実験的に導入された。新しい形、次の時代に即した『新しい答え。』を示していくのが私たちの責務。私たちのきずなをより深めるとともに、『新しい答え。』を見出す定期大会としていきたい」とあいさつした。
続けて矢田議長が「本大会の代議員は国会議員60人、地方代議員47人の計107人。代議員のうち84人が受け付けを済ませており、国会議員の委任状17通、ネット参加の代議員の確認5名で、過半数参加の要件を満たしている」として、大会の成立を宣言した。
つづいて連合の神津里季生会長のビデオメッセージを上映。神津会長は冒頭、国民民主党が「いつも働く者本位の政策に向き合い、その実現に向けて汗をかいて頂いている」と述べ、評価と感謝の気持ちを党関係者らに伝えた。その上で「3つのお願いを申し上げたい」として、(1)結束の強化(2)生活者本位の政策の強調(3)政権与党に代わるもう一つの選択肢のあり方の追求、の3点を挙げた。(1)の「結束の強化」については、最後は一つにまとまっていくという、現在の国民民主党の姿は非常に大事だ、と指摘。「必ず今後につながっていくと信じている」と述べた。また(2)の「生活者本位の政策の強調」については、「政権与党の疑惑追及も非常に大事だが、相手はむしろそこに執着をさせ、埋没をさせようとしているかのようだ」と指摘。むしろ多くの有権者の関心の強い、日々の暮らし向きや福祉の問題でのアピールを強めて欲しい、と要望した。(3)の「政権与党に代わる選択肢」については、有権者の多くは政権与党ではない、しっかりとした「『もう一つの選択肢』を待望している」と述べ、「足元の候補者調整のピッチを上げて、そして皆さんの思いが生きる形で、二大政党的運営の実現を目指して頂きたい」と国民民主党へのエールを締めくくった(以下に、メッセージの全文書き起こし)。