伊藤孝恵議員
 

 参院本会議で30日、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための緊急経済対策を含む2020年度補正予算案の討論・採決が行われ、全会一致で可決・成立した。国民民主党の伊藤孝恵議員が共同会派を代表して賛成討論を行った。

 「一刻も早い対応が必要との見地から本案に賛成する」と切り出した伊藤議員は、現行の対策の不十分さを指摘し、政府が追加措置に早期に取り組むよう本案の問題点に関して、(1)予算の対象期間が不明であり、先を見通すための措置として量的、質的に十分でない点(2)治療薬とワクチンの開発予算があまりにも少ない点(3)医療現場の現状認識があまりに乏しい予算である点(4)事業継続や家計支援が手薄な点(5)感染拡大の収束が見通せないにもかかわらず「ゴートゥーキャンペーン事業」として1・7兆円もの予算が計上されている点――の5点を指摘した。
 特に、一律10万円の給付に関しては、「家にいて下さいというのであれば、補償はセットだという当たり前の論理」から国民民主党をはじめ共同会派が全ての国民に対する一律10万円の給付を主張してきたが、政府・与党側がそれを掃いて捨てたことが一連の混乱を招いたと猛省を求めた。今後の第二弾・第三弾の給付にあたっては、早期に周知することと、受給権者を世帯主ではなく個人に改めることを提案した。
 最後に伊藤議員は、「過去の歴史に学べば、生活者の命を奪ってきたのは、感染症だけではなく、間違った経済政策でもあった。だからこそ、我々は今後も政府に対し、強力な補償、強力な経済政策こそが、強力な感染症対策だということを繰り返し訴えると共に、具体的な提案をもって、果断な意思決定を求めていく」と表明し討論を終えた。