質問に立つ玉木代表

 「死者数が19名から171名に修正されていることを担当閣僚が知らない国家の判断――大丈夫ですか?」。政府の緊急事態宣言の延長を受け11日、衆院で予算委員会の集中審議を開催、玉木雄一郎代表が質問に立った。玉木代表は政府の情報収集体制の強化を求めるとともに、新型コロナウイルス経済対策は「大規模」「簡素」「スピーディー」にやるべきだとして、超長期(100年)債を財源とする100兆円規模の大胆な経済対策の遂行を改めて政府に求めた。

 冒頭、玉木代表は8日時点で厚生労働省が公表していた東京都の死者数を、19人から171人に大幅に修正したことを取り上げ、政府に事実確認を求めた。すると加藤勝信厚労相がこの事実を把握していなかったことが判明。今後、政府が緊急事態宣言を解除を判断するにあたり、正確な数字の把握は欠かせないとして、政府の情報収集体制の徹底強化を求めた。

 また緊急事態解除の条件について国民民主党での議論に触れ、(1)新規感染者の減少が14日間継続していること(7日間移動平均で見た減少傾向が2週間継続していること)(2)十分な検査が行われたうえで感染者が一定水準に留まっていること(陽性率が7%以下におさまっていること)、(3)ウイルスの実行再生産数が1未満におさまっていること(4)陽性者の自宅待機が解消されていること(5)医療従事者の防護体制が機能していること(術前及び入院前PCR検査、妊婦受け入れ前PCR検査の十分な実施)の5つの条件を挙げ、緊急事態解除の明確な基準を求めた。

 さらに週末に実施された各マスコミ世論調査で新型コロナをめぐる一連の政府対応について「評価しない」とする声が6割近かったことに触れ、玉木代表は「経済対策が評価されるには大規模であること、簡素であることとスピーディに実施されることが必要。これに対し今の政府の対策は、財政の支出を抑えようとしてケチケチする、その結果、支出要件が難しくなり、支出が遅れるという悪循環に陥っている」と指摘した。

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  100兆円規模の大胆な財政支出を求める理由として玉木代表は、4-6月期の経済成長率を年率換算するとマイナス21%となり、このままだと110兆円近くのマイナスとなることを挙げた。発足以降の安倍政権下での経済成長が30~40兆円規模だったとすると、その蓄積を全部吹き飛ばすくらいの規模のマイナスであり「異次元の政策が求められている」と改めて強調した。

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 その上で安倍総理に対し「一律給付の第2弾をやりませんか?」と呼び掛けるとともに、第2次補正予算について、その中身と、いつ頃、どのくらいの規模で編成されるのかを質した。これに対し安倍総理は、14日に予定されている専門家会議の結果を見た上で「さらなる対策が必要ならば判断したい」と、慎重な答弁をするにとどまった。

 この答弁に対し玉木代表は「専門家に意見を仰ぐことはいいが、国民に対して安心感を与えるの政治家の仕事だ。総理が『やります』といえば国民に安心感が広がる」と、総理に思い切った決断をすることを促した。

 持続化給付金に関しても、フリーランス事業者の多くが「収入を雑所得にしたり、源泉徴収しやすいからと給与所得にした結果、(持続化給付金を)申請したら事業所得して認められなくて鼻から門前払い。ものすごい困っている」と、フリーランス事業者が置かれた窮状などを訴え、予算の大幅な増額(補正予算比で10倍)と条件緩和を求めた。

 またこの日の朝、野党が共同で「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための学生等に関する特別措置法案」(コロナ困窮学生支援法案)を衆院に提出したことについて触れた。政府が新たに導入した給付型奨学金のハードルが高すぎ、中所得世帯の学生が受け取ることが難しいことなどを指摘し、改めて授業料の一律半額免除を訴えた。

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