玉木雄一郎代表は25日夕方、緊急事態宣言の全面解除を受けて、国会内で記者団の取材に応じた。玉木代表は、解除は専門家による定量的、定性的な基準に基づいた判断なので妥当だとした上で、「緩みは禁物だ。今月中は都道府県を越えた移動は制限すべきだということなので、引き続き詳しく状況の把握をしていかなければいけない」と注意を喚起した。
続いて経済対策について、「一番緩んではいけないのは経済対策だ。この間、失われた需要、所得は戻ってこない。国民全体の所得が落ち、消費する力が非常に弱まっているので、解除したからといって経済が元の回復軌道に戻ることはないんだという認識が必要だ。さきほど党の新型コロナウイルス対策本部を開き、真水で100兆円規模の追加の経済対策をおこなうべきだという方針でとりまとめ、正式には総務会で決定する。4-6期の経済成長の見込みがマイナス21.8%という民間の予測の平均値が出ており、年率換算でGDPが120兆円くらい蒸発するという予測だから、それを補うだけではなく、さらに次の経済成長につなげていくような対策を講じていかなければならない。我々としては万全の経済対策を講じていきたい」と語った。
また、政府の対策の検証について、「2009年に新型インフルエンザが発生した時は、速やかに2010年に対策を総括し、報告書を出している。そこには専用のスポークスパーソンを置くとか、日本版CDC(米国疾病対策センター)を創設する等、さまざまな提言があったが、残念ながら実施されないまま今回の事態を迎えた。喉元過ぎれば熱さを忘れるといったことが二度とあってはならない。我々としては、速やかに今回のコロナ対策がどうだったのかということを検証、総括する組織を政府内に立ち上げることを求めていきたい」と述べた。海外からの入国制限のタイミングなど水際対策や検査実施体制、追跡・隔離体制あり方、感染症対策予算と体制整備、司令塔のあり方、各省をまたいだ対応、国内外への情報発信等について多面的に検証すべきだとの考えを示した。
さらに、「東日本大震災の際に政府に復興構想会議がつくられたが、むしろ国会にそうした会議体をつくり、与野党を超えてポスト・コロナの経済社会のあり方を議論し、そうした議論を踏まえた来年度予算編成をおこなっていくことが大事だ」と提案した。