玉木代表

 「2次補正は二重の衣をまとった天ぷら」。玉木雄一郎代表は27日、定例の記者会見を党本部で開催。この日閣議決定された第2次補正予算について、景気の底支えとなる「真水」部分が小さく「コロナ禍による経済ショックに対する認識の甘さが出た予算だ」と、その中身の乏しさを批判した。  

 玉木代表は「わが党が訴えている『真水100兆円』には程遠い内容だ。予算の内、使い道の決まっていない予備費が約10兆円もある。これを除けば実質22兆円弱の規模となる。すでに政府が打ち出している地方創生交付金や家賃補助といった政策を積み上げても20兆円には届かない。これから予算の中身をしっかりと精査していきたい」と述べた。さらに「一番欠けているのは、コロナ禍により失われた所得、とくに家計所得を補填しようとする姿勢だ。今夏のボーナスも例年通り支給される企業はほとんどないはず。所得の多い少ないにかかわらず皆の所得が落ちており、消費する力が落ちてしまうことを考慮すべきだ。ここをしっかりと補わないと人々が安心してモノを買うことが出来ない。わが党が打ち出している『10万円の一律再給付』が検討された形跡もない。政府は、現在の状況の深刻さとその原因を正しくとらえていない」と、政府の甘い経済見通しを批判した。

 人気女子プロレスラーが自ら命を絶ったことにより、政府内で検討が始まったSNSなどにおける誹謗中傷行為に対する規制強化の動きについて、玉木代表は「単に規制強化されればよいという話ではない。誹謗中傷や差別はもちろん許される事ではないが、表現自由とのバランスをしっかりとりながら議論すべきだ」との考え方を示した。「海外でもリアリティ番組の出演者が自ら命を絶つ事例が出ている。TV演出のあり方などもあわせて検証すべきだ。TV局やソーシャルメディアなど、経済的な利益を受けている者が最も重い責任を負うべきだ」とも述べた。

 また自民党内のワーキングチームで9月入学に否定的な結論が出たことについて記者に尋ねられると「そもそもわが党で9月入学を検討し始めた根底には、今の教育にすでに数か月の遅れが生じてしまっているという事実がある。これから暑い季節となる中、何か月も無理やり補習をしてキャッチアップが本当にできるのか。それができないのなら学期の開始時期をずらすしかない。キャッチアップの目処を文科省が責任をもって示すべきだ」との考えを示した。