参院予算委員会で14日、外交・内政の諸情勢に関する集中審議が行われ、国民民主党・新緑風会からは大塚耕平共同代表が質疑に立ち、「国民民主党は国民生活を向上させ、民主主義を高めるために全力を尽くす」と表明して拉致問題、北朝鮮問題、経済・働き方問題、加計学園問題等について安倍首相らにただした。

 大塚共同代表は6月12日に開催が予定されている米朝首脳会談前後での日朝首脳会談の可能性について質問。安倍首相は「米朝首脳会談前に日朝首脳会談が開催されることは想定しえない」と明言。「米朝首脳会談後に(米大統領に)直接会って話を伺いたい」と述べた。その日米首脳会談で拉致問題の解決に向けた協力を要請するかについては、「核・ミサイルに関する日本の立場、拉致問題の詳細について話をする」と答弁した。

 また、安倍首相が5月連休の中東歴訪時、中東が北朝鮮に対する制裁の抜け穴となってはならない旨を発言したことに関連して「米国のイラン核合意からの離脱、破棄について賛意を示すのか、それとも核合意を維持し、イランが核開発をしないような方向に説得するのか」をただした。首相は「日本は核合意を支持する立場だ」と表明する一方、トランプ大統領が指摘したサンセット条項やミサイルが未対象であることなどの核合意にかかわる様々な「課題について理解する」との考えを示した。

 内政問題では、先進7カ国(G7)のうち、2000年と比較して日本だけが賃下げになっていたり、過去5年間の労働生産性の伸びに賃金が追いついていなかったりするという問題点を指摘し、「審議入りした『働き方改革法案』が通ると、国民の賃金は上がるのか。実質賃金は改善されるのか」をただした。これに対して首相は、新しい経済政策パッケージによって賃金の上昇を目指しているが、「全体の需要が伸び悩む状況下では賃金上昇につながりにくい面がある」と釈明し、成果を上げられていないことを認めた。

 加計学園問題では、真相解明のために柳瀬元総理秘書官を再度国会に呼んで証人喚問を行うべきだと提起するとともに、2015年4月以降から2017年1月20日までの加計学園に関わる全省庁が保有する行政文書を国会に提出するよう参院予算委員長に要求した。森友学園事件では、2015年の下半期の文書がほとんど開示されていないことから、その間の文書の国会提出も求めた。