衆院財務金融委員会の5日の質疑で今井雅人議員が質問に立ち、森友学園の国有地売却に関する文書改ざんに関して財務省が公表した調査報告書に関して質問。これまで政府は「改ざん」という表現をかたくなに否定してきたのが、今回の報告書では「改ざん」と記述した経緯や、改ざんの発端は総理発言なのか――等について麻生財務大臣らに確認を求めた。
国会質疑で野党が「改ざん」と指摘しても、政府側はかたくなに「書き換え」と表現して譲らずにきたが、今回の報告書では「改ざん」となっている点について確認を求めたのに対し、麻生大臣は「これまで問題行為の経緯・目的などが明らかでなかったので『書き換え』と表現していたが、調査を通じて一連のことが出てきた。文書管理の在り方として不適切な対応であったことは明らか。こうした形に基づいて『改ざん』と表現することが適当と考えるようになって、『改ざん』という用語を使った」と答弁し、「改ざん」を認めた。
今井議員は報告書の15ページに「平成29年2月17日(金)の衆議院予算委員会における内閣総理大臣の上記答弁(私や妻が関係していたならば総理大臣も国会議員も辞める旨の発言)以降に」いろいろな協議が行われて改ざんが行われた旨の記述があることから、「改ざんは安倍総理の発言がきっかけだったか」を確認。麻生大臣は「今回の調査のなかでは安倍総理の発言をきっかけとして、そういうことになったという事実は認められていない」などと答弁。矢野官房長も「総理答弁がその後の、理財局の起こした累々たる問題行動のきっかけになったとは考えていない」と否定。「かまびすしい論議を呼んでいた中の一つ。総理答弁が求められたということが書かれているということになっている。それがきっかけで問題行動が起こったという記述にはなっていない」などと説明した。
それではなぜ安倍昭恵夫人の記述を消さなければいけないのかの説明がつかないと今井議員は述べ、「この答弁をきっかけにいろいろ調べてみたところ安倍昭恵夫人のことが出てきた。特段の問題はないということで一度整理はしたと言うが、でも昭恵夫人の名前を削ったということならば、この答弁がきっかけだったということではないか。そういうふうにしか報告書は読めない」と指摘した。今井議員は「問題ないと確認したのであれば安倍総理夫人に関する記述等を削らなければいいではないか」として、削っておきながらそれがつながっていないとする答弁にあきれた。 「報告は出てきたが全然体質は変わっていない。体質が変わっていないということでは大臣は財務省の長として責任を取られた方がいい」と指摘し、麻生大臣にトップとして責任を取るべきだと求めた。