野党各党が共同提出した議院運営委員長古屋圭司君解任決議案を議題に衆院本会議が19日午後に開かれ、賛成少数で否決された。採決に先立ち国民民主党・無所属クラブを代表して牧義夫議員が賛成の討論を行った。
「憲政史上、今ほど立法府と行政府との関係が揺らいだ時期は見当たらないのではないか。森友学園・加計学園疑惑では、行政が歪められ、私物化されたばかりか、国会での虚偽答弁、資料の隠ぺい、さらには公文書の改ざんという行政府としてあるまじき犯罪的行為が組織的に行われていたことが明らかになった。国権の最高機関である国会に対してこのような犯罪的行為に手を染めた財務省の罪は、万死に値すると言うほかはない」と牧議員は厳しい言葉で指摘。「国会の権威がおとしめられる中、議院運営委員長に求められたのは、まず何よりも行政府の引き締め、立法府と行政府との関係の正常化だった。しかし、古屋委員長には、そのような意識もない、まるで行政府の下請機関であるかのように、強権的な国会運営によってただ単に内閣提出法律案を通すだけという仕事ぶりに徹してきた」「このような古屋委員長の姿勢は、国権の最高機関である国会の議院運営委員長にはおよそふさわしくないものであり、まさに解任に値すると言わざるを得ない」と述べた。
解任決議案に賛成する具体的理由として牧議員は(1)古屋委員長は今国会で何度も委員長職権を乱用し、強権的な国会運営を行ってきた(2)財務省の公文書改ざん事件等に何ら指導力を発揮せず、手をこまねいて傍観した(3)政治資金にかかわる疑惑が浮上したこと――を挙げ、議院運営委員長としてまったく不適格だと指摘した。