国民民主党は第196通常国会でのIR(カジノ)整備法案の審議で、法案には反対しながらも31項目の付帯決議を与党との交渉で付けた。その交渉をし、付帯決議を参院内閣委員会で読み上げたのが、理事を務めた矢田わか子議員。ギャンブル依存症の当事者や家族を支援する「公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会」の代表である田中紀子氏は自身のブログでこの付帯決議を国民民主党が付けたことを高く評価しており、26日、矢田議員の事務所を訪れて対談を行った。
田中氏は、矢田議員が付帯決議を読み上げたことを「救われた」「本当にうれしかった」と称賛。与党が圧倒的多数の状況の中、「付帯決議を付けるのは無理だと思っていた」と心境を語った。
矢田議員は、IR整備法案が欠陥法案であり、課題があることを世の中に示すためにも付帯決議を付ける意味があったと強調。立法府には法案の製造物責任があり、世の中に出す前にこの法案に欠陥があり、課題があることを理解してもらうために付帯決議を付けなければいけない使命感があったと語った。
「付帯を付けた者には付けた者の責任がある」と述べる矢田議員は、付帯決議には関係する地方自治体への行動を促す項目があるために、地方自治体議員へ付帯決議の意味の説明をし、地方からの発信を促していることを明かした。「生かすも殺すも私たち次第。ぜひ協力してほしい」とギャンブル依存症問題を考える会のメンバーにも呼びかけた。
対談終了後に記者団の取材に応じた田中氏は、付帯決議の意味について説明した。付帯決議に盛り込んだ項目は文章として残るため、行政も政治も産業側も努力目標として示されるために無視できなくなると説明。「私たちはそこを粘り強く根気強く交渉するカードになるので、すごく重要だ」と意義を語った。