国民民主党・大塚耕平代表代行

 大塚耕平代表代行は31日午前、参院本会議で国民民主党・新緑風会を代表して政府演説に対する代表質問に登壇し、次の7項目のテーマについて安倍総理に質問した。

1.補正予算

 政府の災害対策について。今年は各地で大規模な災害が続いた。国民民主党は、今なお不自由な暮らしを余儀なくされている皆さまに寄り添い、復旧・復興に全力で取り組んでいく。

2.入管法改正

 政府は労働力不足解消を目的として、就労目的の新たな在留資格を設け、事実上の永住を可能とする道を開くことを企図している。巷間、移民政策とも言われており、国民の意見を十分に聞いたうえで、慎重に検討すべき課題である。わずか48日の会期で日本社会の大転換につながる入管法改正案を審議することは拙速に過ぎる。昨年秋の技能実習制度の見直し効果を見極めつつ、改正するにしても、ソフトランディングを旨とすべきだ。

3.経済政策

 来年の消費税増税は不退転の決意で断行するのか、それとも世界経済等の動向いかんで3度延期もあり得るのか。軽減税率については、高所得者ほど恩恵を受けることから、逆進性対策にはならない。また、軽減税率導入によって税収を失うことになる。

 日銀による異常な金融緩和の結果、邦銀はカネ余り状態が続いている。国内融資には回らず、大半は、国債や株のほか、海外投融資に回っている。国際決済銀行(BIS)の最新データよると、日本の海外投融資は約4兆ドルと世界最大になり、過去5年間、米国、英国、ドイツ等が約3割減らしている一方、日本だけが約4割増加させている。国際経済の先行きに照らすと、この状況は日本として大きなリスクを抱えていると言える。リスク対策としてどのようなことを政策的に行うべきか。

国民民主党・大塚耕平代表代行

 「骨太の方針」では、プライマリーバランス(国と地方の基礎的財政収支)黒字化の目標時期が2020年度から2025年度に先送りされた。景気回復による税収増が財政健全化を実現するとうたって異常な金融緩和を5年継続し、財政拡大とともに2度にわたって消費税増税を先送りし、そのうえでプライマリーバランス黒字化を丸々5年先送りしたことは、結局アベノミクスが財政健全化には寄与しなかった事実を示している。

4.米中貿易摩擦

 今後の日本の通商外交にとって重要な原則の一つは「対等な日米関係」。いかに同盟国とは言え、昨今のトランプ大統領の姿勢に対しては、日本としても苦言を呈し、場合によってはWTOに提訴する等の対抗措置も必要だ。

5.沖縄

 辺野古への基地移設反対を唱えた玉城デニー氏が当選した知事選の結果は大変重い。ところが、知事が総理と会談したわずか5日後の10月17日、沖縄防衛局が県による公有水面埋立承認の取消処分に対し、行政不服審査法に基づく審査請求・執行停止を申し立てた。県民の思いを軽視する不適切な対応だ。

6.内閣の姿勢

 改造直後から新閣僚のスキャンダルが報道されている事態を憂慮する。中でも、唯一の女性閣僚である地方創生大臣に関して報道されている内容が事実であれば、大臣個人の問題にとどまらず、モリカケ問題で国民の信頼を完全に失い、既に地に落ちた税務当局及び財務省は、さらに地中深く埋没する事態だ。

7.おわりに

 総理は任期を全うすると、在職日数が歴代最長となる。それだけ長く在職すれば、光がある一方、影も大きいことを自問自答していただきたい。後世、「我友引益」などという言葉が残らないよう、身を律していただくことを切に願う。

PDF「第197回臨時国会参院本会議大塚代表代行代表質問読み上げ原稿」第197回臨時国会参院本会議大塚代表代行代表質問読み上げ原稿