衆院本会議で27日、国民民主党、立憲民主党、無所属の会、共産党、自由党、社民党の各会派が共同提出した山下貴司法務大臣不信任決議案が審議された。国民民主党の山井和則議員が趣旨説明、源馬謙太郎議員が賛成討論を行ったが、決議案は賛成少数で否決された。(写真上は不信任決議案の趣旨説明を行う山井議員)
●山井和則議員趣旨説明
山井議員は不信任決議案提出の理由に関して、国連の移住者の人権に関する特別報告者が「奴隷的状態にまで発展している場合さえある」と廃止を求めた外国人技能実習制度を温存したまま、山下大臣が外国人労働者の受け入れ拡大に向けた入管法改正案を国会に提出したことは「外国人労働者の暮らしや人権をないがしろにするだけではなく、わが国の労働者の雇用や暮らしを脅かすもの」だと指摘し、その現状の解決を優先すべきだと説いた。それにもかかわらず、生煮えの制度設計のまま安易に審議し成立させようとしている山下大臣に対して「国籍で差別を固定化し、拡大する法案を推進するのは辞任に値する」と断じた。
●源馬謙太郎議員賛成討論
源馬議員は外国人の受け入れについて「単なる在留資格の話だけでなく、経済、社会、雇用、文化などにも関わり、ひいてはこの国がどうあるべきかという国柄を大きく変えることにもつながる大きな議論であり、国民的議論を尽くさずに拙速に制度設計を行って済む話ではない」と指摘。今後の活力ある日本社会の実現には外国人労働者が必要だとの認識から国民民主党が対案を取りまとめたことを紹介。その中で特に重要な8項目として「地方への人材確保への配慮」「客観的かつ合理的な受け入れ上限の設定」「適切な外国人労働の待遇の確保」「在留資格の変更に際しての一時帰国」「現行制度の実態把握に基づいた抜本的見直し」「社会保障制度と教育制度のあり方」「家族帯同などの人権的配慮」「多文化共生施策の充実」を取り上げ、政府・与党が施行を目指す4月1日にこだわらず、議論すべきではないかと提案した。