国民民主党・矢田わか子

 参院本会議で7日、野党各党が共同提出した山下貴司法務大臣問責決議案が審議され反対多数で否決された。採決に先立ち国民民主党・新緑風会の矢田わか子議員が賛成の立場から討論を行った。

 問責決議案に賛成する理由は、第1に「わが国の外国人受け入れ政策を大転換させ、社会・経済の『ありよう』を大きく変えかねない『入管法改正案』を中身のないまま、拙速に成立させようとしている点に尽きる」、第2は、「本来、真っ先に取り組むべき、外国人労働者に対する人権を無視した厳しい労働状況の改善を先送りし、受け入れ拡大のみを最優先にしている点だ」――と述べた。

 さらに、外国人技能実習生が劣悪な労働環境・労働条件で働き、人権侵害を受けている実態が繰り返し報じられ、昨年7千人以上の技能実習生が失踪したり行方不明となった問題について、「法務省は実習生の訴えを真剣に受け止めず、法令違反の有無に関する本格的な裏付け調査さえもしていなかった。これは法務省による外国人労働者の人権に関する重大な認識不足であり、到底看過できない」と厳重に抗議した。

 国民民主党が外国人の基本的人権を尊重するとともに、共生社会の実現に資するよう配慮しつつ、「外国人労働者の出入国、及び在留の管理を適切に行う」ことを目的に、制度の在り方について必要な措置を講ずるための対案を参議院に提出したことに触れ、政府に、「単純労働の現場に多くの外国人労働者を活用しようとする中身のない法案を成立させる前に、私たち国民民主党の対案を成立させ、6カ月間は徹底的にわが国の外国人労働者に関する諸問題を議論し、そして最適な新しい答えを作り出そう」と呼びかけた。

 最後に矢田議員は、「安倍内閣では、先の国会に続き、法律事項を極力しぼり、具体的な規定や運用内容はすべて政省令に委任するような閣法が提出され続けている。まさに行政府の都合の良いやり方であり、国会軽視と言わざるを得ない」と指摘した。今回の法案も、「外国人労働者の実態を何ら直視することなく、次なる在留資格を新設して労働力の確保のみを目的とする欠陥法案をこれほどの短時間で強権的に採決することは、断じて認められない」と主張し、賛成討論を終えた。